一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

講演情報

一般演題ポスター

教育

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2018年6月22日(金) 09:50 〜 16:50 ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-091] 他職種と共同で行う高齢者歯科臨床実習の教育効果の検討

○酒井 克彦1、齋藤 寛一1、三條 祐介1、野村 武史1 (1. 東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座)

【目的】
 超高齢社会の到来に伴い,歯学教育における老年歯科医学教育の充実が望まれている。老年歯科医学教育に必要とされる内容は多岐にわたり,その専門性も高い。要介護高齢者に対する実践的な対応を学修する目的に,専門職と共同での高齢者歯科医療に関連した臨床実習を行ったため,実習に対する理解度や教育効果を検討することとした。
【方法】
 対象は本学第5学年148名とした。管理栄養士により高齢者の栄養評価,NSTの活動,嚥下食に関する講義・実習を,理学療法士により高齢者の車椅子移乗,ポジショニングに関する講義・実習を行った。実習前にアンケート調査と理解度試験を行った。また,実習終了後に自己評価と理解度確認試験及び自由記載アンケートを実施した。
【結果と考察】
 実習前アンケートでは「栄養の評価法について知っている」者は約1割,「NSTの役割について知っている」者は約3割,「嚥下食の特徴を知っている」者は約5割であった。「車椅子の操作や移乗の介助を経験したことがある」者は約4割,「食事介助時のポジショニングや目的を知っている」者は約2割であった。「管理栄養士・理学療法士の役割を知っている」者は約2割であった。実習後の自己評価ではほとんどの者が「理解できた」「どちらかというと理解できた」と回答していた。理解度確認テストでは実習前後で理解度の向上を認めた。自由記載アンケートでは「理学療法士の方や管理栄養士の方から話を聞くことができてよかった」「他職種の病棟での業務も見学したい」等の記載があった。専門職と共同で実習を行うことで学生の理解度向上に貢献できた。また他職種の専門性を理解することで,チーム医療における役割を考える一助となることが示唆された。