The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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シンポジウム

特別講演

学術・在宅歯科診療検討合同シンポジウム
在宅(訪問)歯科診療を科学する

Fri. Jun 22, 2018 9:40 AM - 11:10 AM 第1会場 (8F 大ホール)

座長:水口 俊介(東京医科歯科大学大学院高齢者歯科学分野)、菅 武雄(鶴見大学歯学部高齢者歯科学講座)

[S1-2] SDF法による高齢者根面う蝕のマネージメント

○福島 正義1 (1. 福島県昭和村国民健康保険診療所/新潟大学歯学部)

【略歴】
1978年 新潟大学歯学部卒業
1982年 新潟大学大学院歯学研究科修了
1982年 新潟大学助手・歯学部附属病院(第1保存科)
1986年 新潟大学講師・歯学部附属病院(第1保存科)
2001年 新潟大学助教授・歯学部附属病院(総合診療部)
2004年 新潟大学教授・医歯学系(歯学部口腔生命福祉学科)
2018年 福島県昭和村国民健康保険診療所歯科長
日本老年歯科医学会終身認定医・終身指導医・理事
日本歯科保存学会専門医・指導医・理事
日本接着歯学会終身認定医・前会長
日本歯科理工学会DMSA
日本歯科審美学会認定医・常任理事
 平成28年歯科疾患実態調査によれば,高齢者の現在歯数の増加とともに歯周疾患とう蝕が増加している。とくに口腔清掃の行き届かない要介護高齢者,頭頸部腫瘍の放射線治療に伴う唾液腺障害や内服薬の副作用による口腔乾燥症の高齢有歯顎者などでは全顎的に根面う蝕が多発し,短期間で歯冠破折と咬合崩壊を招く場合がある。このような多発性根面う蝕の対処は在宅(訪問)歯科診療の現場でも深刻な問題であろう。根面う蝕は視診によるう蝕検知が歯冠う蝕に比べて困難である。修復処置の場合には,窩洞形成中に歯肉出血させたり,原発う蝕を取り残しやすく,窩洞外形の設定に迷うことがある。
 本講演では日本歯科保存学会による根面う蝕の治療ガイドラインの解説に加えて,わが国で昭和40年代に乳歯ランパントカリエスの進行抑制に多用され,最近では海外で根面う蝕の一次予防材料として高く評価されているフッ化ジアンミン銀(SDF)を活用した根面う蝕のマネージメントを紹介する。