[P一般-108] 巨細胞性エプーリスを切除した知的能力障害者の1例
【目 的】
知的能力障害は「知的機能および適応能力の双方の明らかな制約によって特徴づけられる能力障害である。この能力障害は18歳までに生じる。(AAMR)」と定義づけられ、一般的に歯科治療等が困難なことが多い。エプーリスは歯肉に生じる非腫瘍性の限局性増殖である。巨細胞性エプーリスは多数の巨細胞が出現するもので、日本人の発生率は極めて低い。今回、知的能力障害を伴う患者で巨細胞性エプーリスの症例を経験したので報告する。なお、発表にあたり本人および保護者の同意を得た。
【症例の概要と処置】
56歳男性。経過:初診は平成18年10月で、主訴は歯科治療の希望であった。平成25年2月に上顎残存歯抜去に伴い、上顎総義歯を作製した。平成28年2月に上顎右側67部に発赤がみられ、義歯内面を削合し、発赤は消失した。平成29年9月に同部にエプーリス様の腫脹を認めた。平成31年4月にエプリース切除を説明した。治療に対して保護者の希望により、行動調整法によるトレーニングを行うことにした。数回の診療を行い、患者に拒否反応がみられなかったので、令和1年9月に外来にてエプーリスを切除し、病理診断を行った。巨細胞性エプーリスと診断された。現在、再発の可能性もまれにあるので、経過観察を行っている。
【結果と考察】
今回、知的能力障害を伴う患者で、巨細胞性エプーリスの切除を行った症例を経験した。知的能力障害者は歯科治療の目的が理解できず、治療への協力も難しい。本症例の患者に対して、さまざまな行動調整法のトレーニングを行い、良好な行動適応を得ることができた。エプーリスは一般に好発年齢が20〜30歳代で、女性に多くみられる。今回の巨細胞性エプーリスは海外では全エプーリスのうち30~60%を占めると言われているが、本邦においては極めてまれな症例である。外科切除が基本であるが、まれに再発もあるので経過観察が必要である。
知的能力障害は「知的機能および適応能力の双方の明らかな制約によって特徴づけられる能力障害である。この能力障害は18歳までに生じる。(AAMR)」と定義づけられ、一般的に歯科治療等が困難なことが多い。エプーリスは歯肉に生じる非腫瘍性の限局性増殖である。巨細胞性エプーリスは多数の巨細胞が出現するもので、日本人の発生率は極めて低い。今回、知的能力障害を伴う患者で巨細胞性エプーリスの症例を経験したので報告する。なお、発表にあたり本人および保護者の同意を得た。
【症例の概要と処置】
56歳男性。経過:初診は平成18年10月で、主訴は歯科治療の希望であった。平成25年2月に上顎残存歯抜去に伴い、上顎総義歯を作製した。平成28年2月に上顎右側67部に発赤がみられ、義歯内面を削合し、発赤は消失した。平成29年9月に同部にエプーリス様の腫脹を認めた。平成31年4月にエプリース切除を説明した。治療に対して保護者の希望により、行動調整法によるトレーニングを行うことにした。数回の診療を行い、患者に拒否反応がみられなかったので、令和1年9月に外来にてエプーリスを切除し、病理診断を行った。巨細胞性エプーリスと診断された。現在、再発の可能性もまれにあるので、経過観察を行っている。
【結果と考察】
今回、知的能力障害を伴う患者で、巨細胞性エプーリスの切除を行った症例を経験した。知的能力障害者は歯科治療の目的が理解できず、治療への協力も難しい。本症例の患者に対して、さまざまな行動調整法のトレーニングを行い、良好な行動適応を得ることができた。エプーリスは一般に好発年齢が20〜30歳代で、女性に多くみられる。今回の巨細胞性エプーリスは海外では全エプーリスのうち30~60%を占めると言われているが、本邦においては極めてまれな症例である。外科切除が基本であるが、まれに再発もあるので経過観察が必要である。