[P一般-032] 口腔内から超音波診断装置と組織硬度計を用いた舌の硬さの検討
目的
加齢変化による舌筋の萎縮と運動機能低下は、舌の厚さや運動のみならず硬さにも影響があると考え、我々は、健康成人において超音波エラストグラフィを用いて顎下部から舌の硬さを測定した結果を報告した。今回、超音波診断装置と組織硬度計を用いて口腔内から舌の硬さと厚さを測定し、その関連性を調査したので報告する。
対象および方法
対象は健康成人6名(男4名、女性2名、平均28±1.79歳)とした。舌の硬さの測定は超音波診断装置(Noblus)のReal-time Tissue Elastography のStrain Ratio(SR)と組織硬度計(Myoton PRO)を用いて行った。開口させ舌に力をいれずにリラックスした状態にし、舌体中央でSR値と舌の厚さを測定した。組織硬度計を用いてFrequency(周波数)、Stiffness(筋硬度)、Decrement(弾力性)、Relaxation(変形緩和時間)、Creep(ひずみ)を算出した。SR値、舌の厚さ、組織硬度計から得られた値の統計学的分析にはSpearman検定を行った。
結果および考察
SR値は0.39±0.06、舌の厚さは41.54±1.85mmであり、Frequencyは27.93±4.88Hz、Stiffnessは493.46±137.88N/m、Decrementは2.31±0.32、Relaxationは11.20±3.21ms、Creepは0.72±0.19であった。舌の厚さとRelaxation、Creepに負の相関性が認められた(p<0.05)。舌の厚みが大きくなるほど、CreepやRelaxationが小さくなった。これはひずみ自体が長さに影響されること、および舌筋が厚いとひずみから戻る時間が短いということである。舌の筋肉は随意筋である骨格筋で構成されるため測定値は安静位においても変化しやすい。特に口腔内から超音波プローブやMyoton等の大きな測定器具を挿入した際に内舌筋を含む口腔周囲筋に緊張を起こしやすいことが考えられる。臨床応用するためにはこの点を改善する必要があると思われる。
(COI 開示:なし)
(東京歯科大学:倫理審査委員会承認番号 719)
加齢変化による舌筋の萎縮と運動機能低下は、舌の厚さや運動のみならず硬さにも影響があると考え、我々は、健康成人において超音波エラストグラフィを用いて顎下部から舌の硬さを測定した結果を報告した。今回、超音波診断装置と組織硬度計を用いて口腔内から舌の硬さと厚さを測定し、その関連性を調査したので報告する。
対象および方法
対象は健康成人6名(男4名、女性2名、平均28±1.79歳)とした。舌の硬さの測定は超音波診断装置(Noblus)のReal-time Tissue Elastography のStrain Ratio(SR)と組織硬度計(Myoton PRO)を用いて行った。開口させ舌に力をいれずにリラックスした状態にし、舌体中央でSR値と舌の厚さを測定した。組織硬度計を用いてFrequency(周波数)、Stiffness(筋硬度)、Decrement(弾力性)、Relaxation(変形緩和時間)、Creep(ひずみ)を算出した。SR値、舌の厚さ、組織硬度計から得られた値の統計学的分析にはSpearman検定を行った。
結果および考察
SR値は0.39±0.06、舌の厚さは41.54±1.85mmであり、Frequencyは27.93±4.88Hz、Stiffnessは493.46±137.88N/m、Decrementは2.31±0.32、Relaxationは11.20±3.21ms、Creepは0.72±0.19であった。舌の厚さとRelaxation、Creepに負の相関性が認められた(p<0.05)。舌の厚みが大きくなるほど、CreepやRelaxationが小さくなった。これはひずみ自体が長さに影響されること、および舌筋が厚いとひずみから戻る時間が短いということである。舌の筋肉は随意筋である骨格筋で構成されるため測定値は安静位においても変化しやすい。特に口腔内から超音波プローブやMyoton等の大きな測定器具を挿入した際に内舌筋を含む口腔周囲筋に緊張を起こしやすいことが考えられる。臨床応用するためにはこの点を改善する必要があると思われる。
(COI 開示:なし)
(東京歯科大学:倫理審査委員会承認番号 719)