一般社団法人日本老年歯科医学会 第31回学術大会

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実態調査

[P一般-062] 愛知県の在宅療養支援歯科診療所における訪問歯科診療機材の所有状況ならびに購入検討状況 第2報

○武藤 直広1、冨田 健嗣1、富田 喜美雄1、小島 広臣1、朝比奈 義明1、中井 雅人1、鈴木 雄一郎1、南 全1、籾山 正敬1、上野 智史1、森 幹太1、外山 敦史1、内堀 典保1 (1. 愛知県歯科医師会)

【目的】

地域包括ケアシステムの実現のために訪問歯科診療を充実させることは必須の課題である。我々は昨年,2016年に引き続き愛知県の訪問歯科診療の現状を把握するために在宅療養支援歯科診療所(以下,歯援診)を対象に質問票調査を行った。今回,訪問歯科診療機材の所有状況ならびに購入検討状況の変化について報告する。

【対象および方法】

愛知県の歯援診に対して2016年,2019年に各施設に自記式質問票を郵送し,回答をファックスにて回収した。

【結果と考察】

回収は,2016年では255回答/423診療所(60.3%),2019年では164回答/710診療所(23.1%)であった。歯援診の割合は,2016年9月調査時点の13.0%から2019年5月調査時点の20.2%へ増加した。歯援診が急増した背景には,2018年の社会保険改定により歯科訪問診療料の算定要件が歯援診あるいは歯訪診の施設となり届出診療所の増加へ繋がったと考えられた。

訪問歯科診療機材の所有状況については,ポータブルユニットは42.0%から49.4%へ増加した。歯援診の増加に伴い,地区歯科医師会での共同所有から個人所有へ移行している可能性などの要因が考えられた。2019年において口腔内切削器具は40%弱,技工用切削器具は80%程度の所有があった。パルスオキシメーターや血圧計,A E Dの所有率は増加傾向がみられた。患者急変時の対応も含めた安全な訪問歯科診療を行うためには所有率の増加が望ましいと考えられた。

購入を検討している機材については,ポータブルユニットの割合が減少し,ポータブルX線の割合が増加していた。ポータブルX線の検討増加は,訪問歯科診療の浸透に伴い現場での診断力向上の要求が高まってきている可能性が考えられた。本県では在宅歯科診療および口腔ケアに関する設備整備事業が継続されており,さらなる活用が望まれる。

なお,発表に関して,開示すべきCOIはありません。