The 31st Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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歯科衛生士シンポジウム

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老年歯科における歯科衛生士のこれまでの10年、これからの10年を考える

座長:石黒 幸枝(米原市地域包括医療福祉センターふくしあ)、菅野 亜紀(東京歯科大学短期大学 歯科衛生学科)

[SY5-2] 認定歯科衛生士(老年歯科)の誕生まで

○山根 瞳1 (1. アポロ歯科衛生士専門学校)

【略歴】
1970年:
東京歯科大学卒業
1974年:
東京歯科大学大学院修了(歯学博士)
東京歯科大学講師(病理学講座)
アポロ学園歯科衛生士学校講師
1981年:
今尾歯科医院勤務
1981年:
東京都養育院非常勤医員
1986年:
アポロ学園歯科衛生士学校校長
(現アポロ歯科衛生士専門学校)

1986年9月13日、東京・市ヶ谷の日本大学会館で日本老年歯科医学研究会が設立総会を開催した。参加者は約400名、その中に歯科衛生士が何名いたかはわからない。

 それから4年後の1990年、日本老年歯科医学会として再出発したときの理事会に、歯科衛生士・看護婦等の入会を促すために学会費の軽減しようという案件が提案された。しかし職種は違っても老年歯科を担う会員としての立場は同じであり、将来同じ立場で発言するためにも会費は同額がよいとこの提案は却下された。そんな危惧にもかかわらず、歯科衛生士の学会参加者は順調に伸び、第8回大会(1997年)の参加者944名のうち歯科衛生士・医療関係者は177名となった。

1999年には介護関連委員会の中に「口腔ケア委員会」が発足し、翌年から学会誌に「口腔ケアシリーズ」の掲載が始まった。委員は歯科医師のみであったが書き手は歯科衛生士、看護婦であった。2002年本学会の目的達成のために必要な事業として「オーラルケアに関する周知活動」が取りあげられ、歯科衛生士の評議員がはじめて推薦された。2004年常任理事に歯科衛生士担当が決まり、認定医・認定歯科衛生士制度の導入を検討しはじめた。この頃個人会員1797名中82名が歯科衛生士であった。

 2006年の大会で、「介護保険と歯科衛生士」のタイトルで、その頃歯科界がどう対応するか悩んでいた介護保険について歯科衛生士がコーディネータ、シンポジストとして登壇するシンポジウムが開催された。その後、歯科衛生士を対象とするシンポジウムが大会ごとに開催されるようになった。

 どのような認定制度にするか他学会とも比較検討し、認定看護師をモデルとして、本学会が推薦し日本歯科衛生士会が認定することとした。2008年から歯科衛生士関連委員会の委員8名中5名が歯科衛生士となり、専門審査の準備が始まった。

2010年6月の定時総会で認定歯科衛生士専門審査制度が承認され、8月歯科衛生士関連委員会の歯科衛生士5名が最初の認定歯科衛生士となった。同年12月12日、歯科衛生士関連委員会による認定衛生士専門審査が日本歯科大学で実施され、翌年1月日本歯科衛生士会の認定委員会を経て50名の「認定歯科衛生士(老年歯科)」が誕生した。50名という数字は会員の歯科衛生士がどれだけ待ち望んでいたかがわかる数字である。

そして10年、「認定歯科衛生士(老年歯科)」をどう活かすかをもう一度考えて欲しい。

(COI開示:無し)