The 33rd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター発表)

一般演題(ポスター発表) » [ポスター発表4] 実態調査

ポスター発表4 実態調査

[P4-12] 当県歯科医師の認知症患者の受診対応についてー「歯科医師認知症対応力向上研修会」アンケート結果よりー

○日置 章博、山中 佑介、宮本 佳宏、森田 知臣、上野 智史、籾山 正敬、南 全、朝比奈 義明、武藤 直広、鈴木 雄一郎、冨田 健嗣、森 幹太、渡邊 俊之、内堀 典保 (愛知県歯科医師会)

【目的】
 愛知県歯科医師会では平成28年度より、認知症の人への対応の基本と歯科診療の継続のための方法を習得する目的で、新オレンジプランに基づいた「歯科医師認知症対応力向上研修会」を開催している。研修修了者は愛知県から修了証を発行され、愛知県ホームページに認知症受け入れ歯科医院として掲載される。今回、当県における歯科医師の認知症患者への歯科的対応に関してアンケート結果より考察を行った。
【方法】
 平成28年度から令和3年度までの各年度の本研修会の受講者にアンケート調査を行った。データは無記名により匿名化されており倫理面に配慮した。対象者においては自由意志に基づいて行われた。
【結果と考察】
 本研修会を受講した目的は「勤務先での認知症対応力向上のため」の回答が多く、認知症患者を積極的に受け入れ、取り組む傾向がうかがえた。これに対して、研修受講者の認知症患者の相談が「ある」は平均44.3%であった。相談先は「家族」、「介護施設」からが多く、日常生活を共にしている身近な者、また直接口腔ケアに携わる者からと思われた。また、研修受講者が受診された患者に対して認知症が疑われた場合に「他者に相談した」は平均47.3%であった。相談した先は患者の「家族」が多く、次いで「ケアマネージャー」であった。両質問項目において地域包括支援センターからの相談や歯科医師から地域包括支援センターに相談したとの回答は少なく、歯科医療従事者が地域包括ケアシステム内で十分に機能、連携していない現状がうかがえた。新オレンジプランは認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すもので、歯科医療機関にとっても、地域の社会資源として早期に気づき、他の職種と連携する事が重要である。特に地域包括ケア実現に向けた中核的な機関である「地域包括支援センター」との情報共有は必要である。今後は、研修修了後は県ホームページに掲載されることなどから、研修修了前後の相談件数の比較検討を行い、また歯科診療所における認知症になる前のMCIの段階での発見を行えるように、研修会内容を見直し地域包括支援センターとの連携を軸に多職種との連携を導くことが課題であることが考えられた。
(COI開示:なし)(倫理審査対象外)