The 35th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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実態調査-3(質疑応答)

Sun. Jun 30, 2024 10:40 AM - 11:40 AM ポスター会場 (大ホールC)

[P-97] 相模原市地域包括支援センターにおけるオーラルフレイルの実態調査

奥森 直人1、○田中 雄一郎1、鈴木 重紀1,3、壁谷 玲1、宮野 詳子1、安藤 一郎1、浅川 和也1、佐々木 道宏1、川崎 正宗1、菊池 由里1、薄井 信子2、菊池 剛1、布施 厚子1、寺崎 浩也1、伊原 良明3 (1. 公益社団法人 相模原市歯科医師会、2. 特定非営利活動法人 神奈川県歯科衛生士会相模原支部、3. 昭和大学歯学部口腔健康管理学講座口腔機能リハビリテーション科)

[目的]
 相模原市では健康づくり推進条例の中にオーラルフレイル施策が盛り込まれた.今回,COVID-19流行期間中に地域包括支援センターの依頼でその実態調査を行い若干の知見を得たので報告する.
[方法]
 対象は2022年5月1日~11月30日間に7ヵ所のセンター109名とし,年齢は65~95歳,平均年齢は82.1±6.7歳であった.性別は男性16名,女性87名,不明6名であった.調査方法は神奈川県歯科医師会が作成した「オーラルフレイルのスクリーニング問診票」を使用した.内容は,半年前と比べて堅いものが食べにくくなった,お茶や汁物でむせることがある,義歯を使用している,口の乾きが気になる,半年前と比べて外出の頻度が少なくなった,さきいか・たくあん位の堅さの食べ物が噛める,1日2回以上は歯を磨く,1年に1回以上歯科医院を受診しているの8項目からなる.判定方法は,合計点数が0~2点をオーラルフレイルの危険性が低い群,3点をオーラルフレイルの危険性がある群,4点以上をオーラルフレイルの危険性が高い群としオーラルフレイルの危険性を判定した.なお3点以上は専門的な対応が必要なため歯科医院への受診を勧めるとしている.統計解析はKruskal-Wallis検定とSteel-Dwass多重比較検定を用いて統計学的有意差検定を危険率5%で行った.
[結果・考察]
 本調査ではオーラルフレイルの危険性が低い群は48名,危険性がある群は13名,危険性が高い群は48名であった.歯科医院への受診を勧めたのは61名(56%)であり,オーラルフレイルの危険性が高い群は低い群と比べて口の渇きが気になる以外の全ての項目で有意差を認めた.危険性がある群は,危険性が低い群と比較してお茶や汁物でむせることがあるの項目で有意差を認め,危険性が高い群は,危険性がある群と比較して半年前と比べて外出の頻度が少なくなるの項目で有意差を認めた.それらのことよりオーラルフレイルは嚥下機能の低下によりその危険性が高まり,特に危険性が高い対象者はCOVID-19流行の影響で外出の頻度が減ったことにより定期的に歯科医院へ受診していない可能性も示唆され,その予防には定期的な通院による口腔機能・環境の維持,向上が有用であると考えられる.
(COI開示:なし)(倫理審査:昭和大学倫理審査承認2020-006)