[P2-21] 高齢者の空間認知能力と手描き地図特徴との関連について
Keywords:認知機能, 手書き地図, 高齢者
手描き地図は、地理空間に対する認識を視覚化する方法の一つである。描かれた地図の特徴差は個人や環境の要因によるものとされてきた。近年、脳神経科学分野でのナヴィゲーション行動の研究によって、人が空間を移動する際に手がかりとする空間知識や空間参照枠、関与する脳部位、加齢により衰えやすい機能も解明されてきている。本研究では、高齢者31名の手描き地図を、①2次元回帰分析による正確性、②多重バッファによる経路密度の増減傾向、③描画特徴指標(Route-likeness, Survey-likeness)によって評価した。この評価値と、仮想環境下のナヴィゲーション能力評価テスト及び空間認知機能評価の結果とを比較することにより、加齢の影響を受けやすいとされる空間知識能力と手描き地図の特徴との関連について、明らかにし、手書き地図の描画による空間認知機能評価の可能性について、考察した。