第16回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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パネルディスカッション

[PD2] クリティカルケア看護に求められる役割と場の多様性

企画:林 優子(関西医科大学)

[PD2-2] 遠隔集中治療を支えるのは我々看護師である!

○森口 真吾1,2 (1. (株)T-ICU、2. 滋賀医科大学社会医学講座法医学部門)

Keywords:遠隔ICU、スペシャリスト

本邦においてTele-ICUにおける取り組みの歴史はまだ浅い。しかし米国においては2000年頃からTele-ICUにおける取り組みがスタートし、近年においては、ICUベッドの約20%がTele-ICUで管理されている。つまり約8人に1人のICU患者がTele-ICUの恩恵を受けている。このような米国ではすでにTele-ICU関連の研究が数多くあり、ICU死亡率、病院死亡率、ICU入室期間、プロトコルの遵守率それぞれが改善するという報告がある。
また、ICU専従医を配置することで病院死亡率が減少することは海外、本邦で報告されている。そのため、Tele-ICUにより集中治療専門医に常に相談できる体制が構築されることはアウトカムにも良い影響を及ぼす可能性があるかもしれない。さらには、本邦において、認定看護師/専門看護師など高度実践看護師が関与することでアウトカムに関与したとする報告もあるため、遠隔ICUにおいても同様の効果が期待される。

我々T-ICUは、2016年10月から遠隔重症患者支援サービスを提供している。サービス対象病院は、集中治療室を有する病院から、集中治療室は有さないが重症患者を診療している病院など様々である。
様々な相談内容に対して24時間体制で支援を行う一方で、医療安全部門へのサポートや、研修会の開催なども行っている。さらには契約病院へ実際に訪問し直接アドバイスを行うことも不定期ではあるが取り組んでいる。

このように遠隔ICUにおいては、認定看護師が院内の枠を超えたリソースとして活躍をしている。5Gの時代が間も無く到来し、遠隔診療は多方面において益々充実していくと思われる。
我々看護師もおいていかれるわけにはいけない。