12:39 〜 12:50
[O10-06] 重症患者の回復過程における看護援助ー患者の回復意欲に焦点を当ててー
キーワード:回復意欲、クリティカルケア
〔目的〕本研究の目的は、重症患者の回復過程において、熟練看護師が患者の回復意欲をどのように捉え、どのような看護援助を行っているのかを明らかにすることである。
〔方法〕研究デザインは、質的帰納的研究である。クリティカルケア領域における熟練看護師5名を対象に、「重症患者の回復過程において、患者の回復意欲をどのように捉え、どのような看護援助を行っているのか」について個別に30分~1時間程度の半構成的面接を実施した。データ分析は、山浦晴男氏による質的統合法(KJ法)を用いて行った。 本研究は、所属大学倫理審査委員会の承認を得た上で実施した(承認番号:2020314)。研究実施に際しては、研究の趣旨及び研究への参加は自由意志であること、断った場合にも不利益を生じないこと等について十分に説明し同意を得た。
〔結果〕重症患者の回復過程における回復意欲に焦点を当てた6つの看護援助が明らかとなった。 それら6つの援助は、【回復への願いとあきらめない気持ち】という「回復を信じ、それを患者と共に目指そうとする関わり」、【患者の重症感からくる心理的苦痛の増幅を抑える看護援助】という「身体に心地よさをもたらす癒しのケアの工夫」、【患者に身体的苦痛を感じさせずに安心を促す看護援助】という「離床に伴う身体的苦痛や危険から守る関わり」、【変化の兆しの自覚を促す看護援助】という「リハビリや日常生活の動作・行為・気分・気持ちの良い兆しのキャッチとフィードバック」、【患者の自己肯定感・達成感を促す看護援助】という「医師・家族とともにリハビリに前向きに取り組む患者の頑張りと達成の称賛」、【患者に備わる主体性の発揮を促す看護援助】という「日常生活に戻ることを想起できることがらの提示」であった。 これらの看護援助は、【回復への願いとあきらめない気持ち】という看護師の信念を持った関わりを基盤として成立していた。その上で、熟練看護師は患者の回復過程にあわせて【患者の重症感からくる心理的苦痛の増幅を抑える看護援助】【患者に身体的苦痛を感じさせずに安心を促す看護援助】【変化の兆しの自覚を促す看護援助】【患者の自己肯定感・達成感を促す看護援助】【患者に備わる主体性の発揮を促す看護援助】という5つの援助を段階的に変化させていた。
〔考察〕熟練看護師の看護援助は、患者の回復を願い一緒に目指すという信念が基盤となっており、患者の回復意欲を積極的に感じ取ろうとする熟練看護師の信念を持った関わりが他の援助の原動力となっていることが考えられた。 また、熟練看護師は【患者の重症感からくる心理的苦痛の増幅を抑える看護援助】【患者に身体的苦痛を感じさせずに安心を促す看護援助】【変化の兆しの自覚を促す看護援助】【患者の自己肯定感・達成感を促す看護援助】【患者に備わる主体性の発揮を促す看護援助】という5つの看護援助を段階的に変化させており、回復過程の中で変化する患者の特性を見極めつつ、常に回復意欲が促進され続けられるように働きかけていたと考えられた。
〔結論〕熟練看護師は重症患者の回復意欲に焦点を当てた6つの看護援助を行っていた。それらの看護援助は、【回復への願いとあきらめない気持ち】を基盤に、重症患者の回復過程にあわせて段階的に変化している論理構造が明らかとなった。
〔方法〕研究デザインは、質的帰納的研究である。クリティカルケア領域における熟練看護師5名を対象に、「重症患者の回復過程において、患者の回復意欲をどのように捉え、どのような看護援助を行っているのか」について個別に30分~1時間程度の半構成的面接を実施した。データ分析は、山浦晴男氏による質的統合法(KJ法)を用いて行った。 本研究は、所属大学倫理審査委員会の承認を得た上で実施した(承認番号:2020314)。研究実施に際しては、研究の趣旨及び研究への参加は自由意志であること、断った場合にも不利益を生じないこと等について十分に説明し同意を得た。
〔結果〕重症患者の回復過程における回復意欲に焦点を当てた6つの看護援助が明らかとなった。 それら6つの援助は、【回復への願いとあきらめない気持ち】という「回復を信じ、それを患者と共に目指そうとする関わり」、【患者の重症感からくる心理的苦痛の増幅を抑える看護援助】という「身体に心地よさをもたらす癒しのケアの工夫」、【患者に身体的苦痛を感じさせずに安心を促す看護援助】という「離床に伴う身体的苦痛や危険から守る関わり」、【変化の兆しの自覚を促す看護援助】という「リハビリや日常生活の動作・行為・気分・気持ちの良い兆しのキャッチとフィードバック」、【患者の自己肯定感・達成感を促す看護援助】という「医師・家族とともにリハビリに前向きに取り組む患者の頑張りと達成の称賛」、【患者に備わる主体性の発揮を促す看護援助】という「日常生活に戻ることを想起できることがらの提示」であった。 これらの看護援助は、【回復への願いとあきらめない気持ち】という看護師の信念を持った関わりを基盤として成立していた。その上で、熟練看護師は患者の回復過程にあわせて【患者の重症感からくる心理的苦痛の増幅を抑える看護援助】【患者に身体的苦痛を感じさせずに安心を促す看護援助】【変化の兆しの自覚を促す看護援助】【患者の自己肯定感・達成感を促す看護援助】【患者に備わる主体性の発揮を促す看護援助】という5つの援助を段階的に変化させていた。
〔考察〕熟練看護師の看護援助は、患者の回復を願い一緒に目指すという信念が基盤となっており、患者の回復意欲を積極的に感じ取ろうとする熟練看護師の信念を持った関わりが他の援助の原動力となっていることが考えられた。 また、熟練看護師は【患者の重症感からくる心理的苦痛の増幅を抑える看護援助】【患者に身体的苦痛を感じさせずに安心を促す看護援助】【変化の兆しの自覚を促す看護援助】【患者の自己肯定感・達成感を促す看護援助】【患者に備わる主体性の発揮を促す看護援助】という5つの看護援助を段階的に変化させており、回復過程の中で変化する患者の特性を見極めつつ、常に回復意欲が促進され続けられるように働きかけていたと考えられた。
〔結論〕熟練看護師は重症患者の回復意欲に焦点を当てた6つの看護援助を行っていた。それらの看護援助は、【回復への願いとあきらめない気持ち】を基盤に、重症患者の回復過程にあわせて段階的に変化している論理構造が明らかとなった。