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[O11-02] 救急・集中治療患者の終末期治療における家族の代理意思決定支援に対する中堅看護師の困難と対応
キーワード:中堅看護師、代理意思決定支援、終末期治療、困難と対応
〔目的〕救急・集中治療患者の終末期治療における家族の代理意思決定支援に対する中堅看護師の困難と対応を明らかにし,救急・集中治療患者の終末期治療における家族の代理意思決定支援に対する今後の実践上の示唆を得る.
〔方法〕三次救急医療機関に勤務する看護師経験年数6年目以上の中堅看護師を研究参加者とし,救急・集中治療患者の終末期治療における家族の代理意思決定支援に対する困難と対応について半構造化面接法により面接を実施し,質的帰納的に分析した.本研究は大学の倫理委員会の承認を得た上で,研究参加者の自由意思に基づき実施した.
〔結果〕参加者は中堅看護師11名,看護師経験年数は平均12.4年,面接時間は平均84分であった.分析より【家族を気にかけつつ家族に患者の状態を伝えることに悩みながら,できる範囲内で家族に伝わるように努める】,【受容できていない家族を前進させる方法に悩みつつ,家族の心情を推し量る】,【危機的状況にある家族への関わり方に戸惑いつつ,家族の心情を推し量る】,【治療選択に悩み揺らぐ家族を支えることが難しいが,家族に寄り添いつつ家族の意思決定を支持する】,【根拠のない支援方法を後輩に相談され返答に悩みながら,後輩の意見を聞いた上で一緒に支援する】,【代理意思決定を担う家族への関わり方の指導に悩むと同時に,熱い感情が込み上げる】,【自分の支援の家族への影響に常に悩みながら臨機応変な行動をし,他者の理解により気持ちを整理する】,【医師が家族に配慮した説明をしてくれないと感じ,医師に改善を掛け合う】,【医師と患者の治療について対等に話し合えず,やりきれなさを抱きつつ医師との関係性を考慮し働きかける】,【代理意思決定者の判断に悩み,患者と家族の関係性を考慮し医師と判断する】,【病棟全体で家族を支援していく態勢をつくることが難しく,風土の改善へ意気込む】などの11のカテゴリを見出した.中堅看護師は,感情が揺れ動いている家族への関わり方に悩みながらも家族に寄り添い,家族の心情を推し量り家族の意思決定を支持していた.これは,自分の支援の家族への影響に悩みながら,臨機応変に行動し他者の理解により気持ちを整理し次の支援に繋げていることに関連していた.また, 医師との関わりの困難に対しては対応が様々であった.さらに,中堅看護師は代理意思決定支援の方法が確立していない中で,後輩への指導に悩みながら後輩と共に支援を行い,病棟全体で家族を支援する態勢づくりに困難を抱き,風土の改善に意気込んでいた.
〔考察〕救急・集中治療患者の終末期治療における家族の代理意思決定支援の中で,中堅看護師は,自分の支援に悩み揺らぐが,他者との共有や上司の承認を自信に繋げ揺らぎに向き合いながら,より質の高い看護を提供しようと努めていた(中村他,2003;山内,2019;横山,長谷川,2016).また,中堅看護師は自律的態度の希薄さによる自信のなさや医師の看護師を尊重しない態度により,自身の想いや考えを医師に伝えられないと考えられた(宇城,中山,2006).そして,中堅看護師は,病棟全体での家族の代理意思決定支援を目指すが,病棟スタッフへの働きかけに困難を抱き,行為まで至らず支援を求めていると考えられた.
〔結論〕救急・集中治療患者の終末期治療における家族の代理意思決定支援に対する中堅看護師の困難と対応として,11のカテゴリを見出した.中堅看護師は先行きの不確かな状況に揺らぎ不安な心情でいる家族への関わりに悩みながらも,心理的に最も近い医療者として家族のペースに合わせ,家族の心情を推し量り,中立的な立場で家族の意思決定を支持していた.しかし,病棟全体での家族支援に向け医師やスタッフへの働きかけに困難を抱き,行為まで至らず,中堅看護師の困難解消に向けた支援の重要性が示唆された.
〔方法〕三次救急医療機関に勤務する看護師経験年数6年目以上の中堅看護師を研究参加者とし,救急・集中治療患者の終末期治療における家族の代理意思決定支援に対する困難と対応について半構造化面接法により面接を実施し,質的帰納的に分析した.本研究は大学の倫理委員会の承認を得た上で,研究参加者の自由意思に基づき実施した.
〔結果〕参加者は中堅看護師11名,看護師経験年数は平均12.4年,面接時間は平均84分であった.分析より【家族を気にかけつつ家族に患者の状態を伝えることに悩みながら,できる範囲内で家族に伝わるように努める】,【受容できていない家族を前進させる方法に悩みつつ,家族の心情を推し量る】,【危機的状況にある家族への関わり方に戸惑いつつ,家族の心情を推し量る】,【治療選択に悩み揺らぐ家族を支えることが難しいが,家族に寄り添いつつ家族の意思決定を支持する】,【根拠のない支援方法を後輩に相談され返答に悩みながら,後輩の意見を聞いた上で一緒に支援する】,【代理意思決定を担う家族への関わり方の指導に悩むと同時に,熱い感情が込み上げる】,【自分の支援の家族への影響に常に悩みながら臨機応変な行動をし,他者の理解により気持ちを整理する】,【医師が家族に配慮した説明をしてくれないと感じ,医師に改善を掛け合う】,【医師と患者の治療について対等に話し合えず,やりきれなさを抱きつつ医師との関係性を考慮し働きかける】,【代理意思決定者の判断に悩み,患者と家族の関係性を考慮し医師と判断する】,【病棟全体で家族を支援していく態勢をつくることが難しく,風土の改善へ意気込む】などの11のカテゴリを見出した.中堅看護師は,感情が揺れ動いている家族への関わり方に悩みながらも家族に寄り添い,家族の心情を推し量り家族の意思決定を支持していた.これは,自分の支援の家族への影響に悩みながら,臨機応変に行動し他者の理解により気持ちを整理し次の支援に繋げていることに関連していた.また, 医師との関わりの困難に対しては対応が様々であった.さらに,中堅看護師は代理意思決定支援の方法が確立していない中で,後輩への指導に悩みながら後輩と共に支援を行い,病棟全体で家族を支援する態勢づくりに困難を抱き,風土の改善に意気込んでいた.
〔考察〕救急・集中治療患者の終末期治療における家族の代理意思決定支援の中で,中堅看護師は,自分の支援に悩み揺らぐが,他者との共有や上司の承認を自信に繋げ揺らぎに向き合いながら,より質の高い看護を提供しようと努めていた(中村他,2003;山内,2019;横山,長谷川,2016).また,中堅看護師は自律的態度の希薄さによる自信のなさや医師の看護師を尊重しない態度により,自身の想いや考えを医師に伝えられないと考えられた(宇城,中山,2006).そして,中堅看護師は,病棟全体での家族の代理意思決定支援を目指すが,病棟スタッフへの働きかけに困難を抱き,行為まで至らず支援を求めていると考えられた.
〔結論〕救急・集中治療患者の終末期治療における家族の代理意思決定支援に対する中堅看護師の困難と対応として,11のカテゴリを見出した.中堅看護師は先行きの不確かな状況に揺らぎ不安な心情でいる家族への関わりに悩みながらも,心理的に最も近い医療者として家族のペースに合わせ,家族の心情を推し量り,中立的な立場で家族の意思決定を支持していた.しかし,病棟全体での家族支援に向け医師やスタッフへの働きかけに困難を抱き,行為まで至らず,中堅看護師の困難解消に向けた支援の重要性が示唆された.