14:12 〜 14:24
[O12-02] 集中治療室での早期リハビリテーション場面における患者と看護師間の相互作用のなかでの看護実践
キーワード:早期リハビリテーション、相互作用、看護実践
〔目的〕近年、集中治療領域において、早期からリハビリテーションを実施することの効果が報告されるようになった。そのようななかで、個々の患者の身体的・心理的状態に合わせたリハビリテーションを進めていくためには、患者と看護師の良好な援助関係が重要であると考える。本研究の目的は、早期リハビリテーション場面における患者と看護師間に生じる相互作用のなかでの看護実践を明らかにすることである。
〔方法〕研究デザインは質的記述的研究デザインとした。本研究では早期リハビリテーションを、手術または急性増悪から48時間以内に開始され、集中治療室入室中に実施された他動運動、自動運動、ギャッチアップ座位、端坐位、立位などの運動をすることと定義した。研究協力者は、集中治療室で早期リハビリテーションを受けた成人患者と、その患者の援助を行った看護師とした。データ収集方法は、診療録調査、参加観察および半構造化面接であった。参加観察では、リハビリテーション中の患者と看護師のやり取りを観察し、録音とフィールドノーツへの記録を行った。半構造化面接では、患者と看護師両者にリハビリテーション中に抱いた感情などを質問した。分析方法は質的記述的分析とした。まず個別分析として、参加観察および半構造化面接のデータから、ウヴェ・フリックのテーマ的コード化の分析手順を参考に、意味内容を損なわない文章に要約しコードを抽出した。コードからサブカテゴリーを形成し、全体分析においてカテゴリーを形成した。本研究は、研究者の所属施設および研究協力施設の倫理審査委員会の承認を得て実施した。研究協力者に対して、研究目的、方法、倫理的配慮を説明し、書面で同意を得た。
〔結果〕研究協力患者は4名で、8場面を分析対象とした。これらの場面で援助を行った研究協力看護師は延べ13名であった。分析の結果、46のコード、26のサブカテゴリー、5つのカテゴリーが生成された。【日常生活動作への組み込み】は、歯磨きや食事、家族との面会のタイミングで座位や端座位の援助を行うことであった。【患者の意欲の優先】は、疼痛や不安よりも患者の意欲を優先してリハビリテーションを進めることであった。【患者の力の見極め】は、患者の動きや力の入り具合を評価し、安全を確保したうえで必要最低限の援助を行うことであった。【実現可能な個別目標の設定】は、患者の思い、ケアに対する反応や効果をもとに目標を設定して援助することであった。【心身の負担の考慮】は、常に患者の身体的・心理的負担を評価し、リハビリテーションの実施・継続・中断を判断することであった。
〔考察〕集中治療室において看護師は、リハビリテーションへ難色を示す患者に対して、日常生活動作に組み込み、意識させない援助を行っていた。患者のニーズに合わせた日常生活動作に組み込んだリハビリテーションの提案は、患者の意欲向上につながっていたと考える。また、看護師は患者の意欲を支えたいという思いをもち、患者が動く一瞬一瞬を評価し、身体的負担よりも意欲を優先するための判断を行うこともあった。看護師は、リハビリテーション中の身体的負担をバイタルサイン、表情や顔色、呼吸促拍などから捉え、さらに不安や恐怖などの心理的負担も考慮していた。患者の高い意欲が不安を隠している場面もあったため、心身両面への負担に注意する必要がある。
〔結論〕集中治療室での早期リハビリテーション場面における患者と看護師間の相互作用のなかで、看護師は日常生活動作に組み込むなどのきっかけを活用し、患者の持つ力と意欲を支持できるような看護実践を行っていることが明らかとなった。
〔方法〕研究デザインは質的記述的研究デザインとした。本研究では早期リハビリテーションを、手術または急性増悪から48時間以内に開始され、集中治療室入室中に実施された他動運動、自動運動、ギャッチアップ座位、端坐位、立位などの運動をすることと定義した。研究協力者は、集中治療室で早期リハビリテーションを受けた成人患者と、その患者の援助を行った看護師とした。データ収集方法は、診療録調査、参加観察および半構造化面接であった。参加観察では、リハビリテーション中の患者と看護師のやり取りを観察し、録音とフィールドノーツへの記録を行った。半構造化面接では、患者と看護師両者にリハビリテーション中に抱いた感情などを質問した。分析方法は質的記述的分析とした。まず個別分析として、参加観察および半構造化面接のデータから、ウヴェ・フリックのテーマ的コード化の分析手順を参考に、意味内容を損なわない文章に要約しコードを抽出した。コードからサブカテゴリーを形成し、全体分析においてカテゴリーを形成した。本研究は、研究者の所属施設および研究協力施設の倫理審査委員会の承認を得て実施した。研究協力者に対して、研究目的、方法、倫理的配慮を説明し、書面で同意を得た。
〔結果〕研究協力患者は4名で、8場面を分析対象とした。これらの場面で援助を行った研究協力看護師は延べ13名であった。分析の結果、46のコード、26のサブカテゴリー、5つのカテゴリーが生成された。【日常生活動作への組み込み】は、歯磨きや食事、家族との面会のタイミングで座位や端座位の援助を行うことであった。【患者の意欲の優先】は、疼痛や不安よりも患者の意欲を優先してリハビリテーションを進めることであった。【患者の力の見極め】は、患者の動きや力の入り具合を評価し、安全を確保したうえで必要最低限の援助を行うことであった。【実現可能な個別目標の設定】は、患者の思い、ケアに対する反応や効果をもとに目標を設定して援助することであった。【心身の負担の考慮】は、常に患者の身体的・心理的負担を評価し、リハビリテーションの実施・継続・中断を判断することであった。
〔考察〕集中治療室において看護師は、リハビリテーションへ難色を示す患者に対して、日常生活動作に組み込み、意識させない援助を行っていた。患者のニーズに合わせた日常生活動作に組み込んだリハビリテーションの提案は、患者の意欲向上につながっていたと考える。また、看護師は患者の意欲を支えたいという思いをもち、患者が動く一瞬一瞬を評価し、身体的負担よりも意欲を優先するための判断を行うこともあった。看護師は、リハビリテーション中の身体的負担をバイタルサイン、表情や顔色、呼吸促拍などから捉え、さらに不安や恐怖などの心理的負担も考慮していた。患者の高い意欲が不安を隠している場面もあったため、心身両面への負担に注意する必要がある。
〔結論〕集中治療室での早期リハビリテーション場面における患者と看護師間の相互作用のなかで、看護師は日常生活動作に組み込むなどのきっかけを活用し、患者の持つ力と意欲を支持できるような看護実践を行っていることが明らかとなった。