11:40 〜 12:00
[PD9-04] 超高齢患者を支える家族への看護実践における課題と実際、展望
キーワード:高齢患者、家族看護
医療の目まぐるしい発展とともに、ICUや救命救急センターなどクリティカルケア領域においても、超高齢患者の入室は増加している。近年は超高齢者が独居で自立した生活をしていることも多く、家族はその現状を知らないまま急な入院となる場面もある。平均入院日数の減少、早期退院に向けた支援は、クリティカルケア領域においても重要視されており、在宅療養をさらに拡大していくうえで家族の理解や支援は重要となる。そのような背景から、退院支援や心理的支援において家族への看護実践の重要性はさらに増してきている。
家族への看護実践における課題として、患者と家族が必ずしも同居しているとは限らず、超高齢者が独居で厳しい生活状況にあることを家族が知らないことが挙げられる。家族は、入院を機会に生活がままならない様子であったことを患者の家屋から目の当たりにすることもある。また、集中治療を要する生命の危機的状況の中で、超高齢者本人の意思が伝えられない状況下においては、家族が代理意思決定を迫られる場面も少なくない。そこに加えてコロナ禍における入院中の面会制限という物理的距離が生まれ、家族の不安のみならず、看護師にとっても代理意思決定支援が難しい現状がある。生命の危機を脱することができ、スムーズな退院・転院を目指す上でも、患者本人の状態が家族から見て支援が可能な段階かについても面会の制限から、総合的な判断を難しくさせている。
これらの課題は、早期退院・地域連携を推し進める社会背景の中で重要とされている一方、看護師の自助努力に任せられている現状もある。当院ICUではハイリスク手術前の術前訪問、そして早期リハビリテーションの介入、家族との面会の工夫によって家族支援を行なっている。緊急入院が多い救命救急センターにおいては、入院時オリエンテーションを家族支援の好機と捉え、現状の不安を伺いながら、今後の予測や介護保険申請の提案、MSWの紹介を行なっている。そして長期入院が予測される場合や、不安が強く支援が難しい家族などに対する電話対応(Familyコール)の導入を行なっている。経済的状況や遠方につき直接支援が難しい状況なども確認し、MSWや退院調整部門との密な連携、そして心理支援が必要なご家族への臨床心理士の紹介などを担当医と相談しながら看護実践につなげている。専従理学療法士との協働で早期リハビリテーションの介入、普段の様子をFamilyコールで伝え、家族のイメージと実情のギャップを埋める、看護の専門性を生かした家族看護実践を行っている。
生命の危機状態にある患者の治療をそばで支援しつつ、危機を乗り越えた先の支援につなげる、予測した介入はときに複雑で困難であり、俯瞰的な視点が求められる。患者の身体状況を予測する知識や技術に加え、患者を支援する存在となりうる家族へ看護実践することは看護職のみでは難しい。リハビリテーション部門、退院調整部門、心理支援部門などとの日頃からの情報交換から必要な専門職との連携を進めていくことが、先を見据えた家族への看護実践の大きな一助となると考えている。
家族への看護実践における課題として、患者と家族が必ずしも同居しているとは限らず、超高齢者が独居で厳しい生活状況にあることを家族が知らないことが挙げられる。家族は、入院を機会に生活がままならない様子であったことを患者の家屋から目の当たりにすることもある。また、集中治療を要する生命の危機的状況の中で、超高齢者本人の意思が伝えられない状況下においては、家族が代理意思決定を迫られる場面も少なくない。そこに加えてコロナ禍における入院中の面会制限という物理的距離が生まれ、家族の不安のみならず、看護師にとっても代理意思決定支援が難しい現状がある。生命の危機を脱することができ、スムーズな退院・転院を目指す上でも、患者本人の状態が家族から見て支援が可能な段階かについても面会の制限から、総合的な判断を難しくさせている。
これらの課題は、早期退院・地域連携を推し進める社会背景の中で重要とされている一方、看護師の自助努力に任せられている現状もある。当院ICUではハイリスク手術前の術前訪問、そして早期リハビリテーションの介入、家族との面会の工夫によって家族支援を行なっている。緊急入院が多い救命救急センターにおいては、入院時オリエンテーションを家族支援の好機と捉え、現状の不安を伺いながら、今後の予測や介護保険申請の提案、MSWの紹介を行なっている。そして長期入院が予測される場合や、不安が強く支援が難しい家族などに対する電話対応(Familyコール)の導入を行なっている。経済的状況や遠方につき直接支援が難しい状況なども確認し、MSWや退院調整部門との密な連携、そして心理支援が必要なご家族への臨床心理士の紹介などを担当医と相談しながら看護実践につなげている。専従理学療法士との協働で早期リハビリテーションの介入、普段の様子をFamilyコールで伝え、家族のイメージと実情のギャップを埋める、看護の専門性を生かした家族看護実践を行っている。
生命の危機状態にある患者の治療をそばで支援しつつ、危機を乗り越えた先の支援につなげる、予測した介入はときに複雑で困難であり、俯瞰的な視点が求められる。患者の身体状況を予測する知識や技術に加え、患者を支援する存在となりうる家族へ看護実践することは看護職のみでは難しい。リハビリテーション部門、退院調整部門、心理支援部門などとの日頃からの情報交換から必要な専門職との連携を進めていくことが、先を見据えた家族への看護実践の大きな一助となると考えている。