第22回日本救急看護学会学術集会

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一般演題

終末期医療

[O6] 一般演題6

[O6-05] 救命救急センターで死別した家族に対する死別サポート後の事例研究

○原田 竜三1、山勢 博彰2 (1. 東京医療保健大学医療保健学部看護学科、2. 山口大学大学院医学系研究科)

Keywords:死別、死別サポート、複雑性悲嘆

目的:ICUで死別した家族は、不安、抑うつ、PTSD、複雑性悲嘆に陥る可能性があり、欧米では死別サポートの研究がされて  
   いる。我が国では、死別サポートに関する報告は少ない。救命救急センターで死別サポートを含めた看護介入を実施
   し、面接で得られた事例を分析することとした。
方法:1)研究デザイン:事例研究
   2)対象:死別サポートを実施した家族2事例
   3)調査方法:救命救急センターに搬送された患者の家族に対して、危機・悲嘆理論を用いた看護介入を実施した。看
     護介入は、救命救急センターでのケアと死別後2か月後までに2回の電話フォローアップを行った。その後、面接調
     査の承諾が得られた。面接は40分程度の半構成的面接を実施した。
   4)分析方法:質的記述的研究
   5)倫理的配慮:研究者の所属する大学および研究を実施する施設での倫理委員会での承認が得られた上で、実施し   
     た。
結果:2名の男性から面接調査の許可が得られた。2名とも配偶者を失った男性であった。1名の男性は50代、もう1名は70代  
   の男性である。死別から2か月までの間の電話フォローアップ時は、「眠れない」「いろいろと思い出してしまう」   
   「うつかもしれない」といったことが聞かれ、面接時には、“亡くなった日の出来事”、“救命救急センターでの体
   験“、“2か月間の出来事”などについて、悲しみと後悔が語られた。時間を経て気持ちは整理されてきた。医師や看護師
   にはよくやってもらったという思いを持っていた。
考察:死別の悲しみは、長期的なものである。死別サポートを行うことで、その後の生活の様子や精神状態、ケアの評価が確  
   認できた。欧米の死別サポート研究では、死別後のサポートとして、お悔やみのカード、パンフレットの配布、電話に
   よるフォローアップがある。今回の死別後サポートもお悔やみの手紙と電話によるフォローアップを行った。欧米の文
   献では、死別後のサポートを13か月に渡って行った調査で、家族の長期的な悲しみ、PTSDのリスクを減らす可能性が
   あることを示した文献が見られた。今回の調査は、長期的な関わりが難しいことが考えられ2か月までと設定をした。
   悲嘆が複雑化しそうな場合には、専門家の介入につなげる、もしくは初めから専門家の介入を依頼するなど死別サポー
   トの取り組みの検討が必要である。