[O9-07] 超急性期脳梗塞に対する早期脳血管内治療開始を目指して
Keywords:看護教育、脳卒中、時間短縮、血管内治療
はじめに
A病院は2016年8月からストロークコールを導入した。
一昨年本学会で、プロトコール表に沿った受け入れ準備、準備物品のセット化を行い救急医療センター看護師全員が、脳血管内治療開始60分以内に治療開始ができること目標に、システムの構築について述べた。今回、血管撮影室入室から治療開始までの時間を段階的に短縮し、さらなる早期治療開始を目標に、救急医療センター看護師への教育に重点をおいた取り組みに対する結果を発表する。
目的
早期治療開始を目指した取り組みと、今後の課題を明らかにする
方法
期間:2018年4月から2020年3月
対象:救急医療センター正看護師27名
准看護師1名
方法:2018年4月から2019年3月
1.チェック表の見直しと勉強会実施
2.血管撮影室から治療開始介助までの勉強会実施
2019年4月から2020年3月
3.血管撮影室準備見学と準備の実践
4.早期治療に対する取り組みに対し、評価、改善をカンファレンスで共有
5.血管撮影室準備までの動画撮影実施
6.実際の治療介助の振り返り、改善をカンファレンスで共有
7.結果と分析
倫理的配慮
A病院看護部において倫理審査の承認を得て、研究の趣旨を文章で提示し同意を得た。
結果
2018年度、脳血管内治療までの患者受け入れ時から画像検査までの流れは、救急医療センター看護師全員が対応出来るようになった。脳血管内治療開始までの時間は最短39分、最長106分、平均62.6分であった。次に治療開始までの時間短縮に焦点を当て、2019年3月から一連の流れが把握できる救急医療センター看護師1名を立ち上げ検査介助に従事した。結果、従事した看護師が中心となり、患者受け入れから脳血管内治療開始までの手順を①血管内治療キットの展開と準備 ②患者の体位固定 ③還流セットの準備など細分化し、救急医療センター看護師全員が行えるよう教育、デモンストレーションを行った。教育後はアンケートを取り、看護師の理解度を確認し、個々に合わせた個別的な教育を実施した。看護師から具体的な意見として、物品、薬剤の配置や覆布の操作が分からない等が挙がり、それらを全員で共有し、再度デモンストレーションを行い解決するという方法を行った。また、脳血管内治療に関わる頻度が個々に違う為、治療開始までの一連の流れの動画を作成し、常時視聴ができるようにしたことで流れの把握が理解出来るようになった。視聴は25名(89.3%)であった。各介助の教育の取り組みの結果、実際の治療場面では、準備が出来るようになった。2019年4月から2020年3月までの脳血管内治療開始までの時間は最短23分、最長95分、平均54.8分と短縮に繋がった。
考察
今回、介助の一連の流れを具体的に可視化する等、教育の工夫をすることで、統一した介助が出来るようになり、脳血管撮影室入室準備から患者入室、治療開始までの時間短縮に繋がったと考える。また治療開始までの介助を細分化することで段階的な教育ができた。さらに、アンケートを実施することで、疑問点が具体的になり、個別的な教育も実施することができ、脳血管内治療開始時間を7.8分短縮できたと考える。今後継続的にカンファレンスで共有することにより更なる時間短縮が目指せると考える。また今後の取り組みとして、救急医療センター看護師全員が、脳血管内治療介助まで担当できるように育成することが課題である。
A病院は2016年8月からストロークコールを導入した。
一昨年本学会で、プロトコール表に沿った受け入れ準備、準備物品のセット化を行い救急医療センター看護師全員が、脳血管内治療開始60分以内に治療開始ができること目標に、システムの構築について述べた。今回、血管撮影室入室から治療開始までの時間を段階的に短縮し、さらなる早期治療開始を目標に、救急医療センター看護師への教育に重点をおいた取り組みに対する結果を発表する。
目的
早期治療開始を目指した取り組みと、今後の課題を明らかにする
方法
期間:2018年4月から2020年3月
対象:救急医療センター正看護師27名
准看護師1名
方法:2018年4月から2019年3月
1.チェック表の見直しと勉強会実施
2.血管撮影室から治療開始介助までの勉強会実施
2019年4月から2020年3月
3.血管撮影室準備見学と準備の実践
4.早期治療に対する取り組みに対し、評価、改善をカンファレンスで共有
5.血管撮影室準備までの動画撮影実施
6.実際の治療介助の振り返り、改善をカンファレンスで共有
7.結果と分析
倫理的配慮
A病院看護部において倫理審査の承認を得て、研究の趣旨を文章で提示し同意を得た。
結果
2018年度、脳血管内治療までの患者受け入れ時から画像検査までの流れは、救急医療センター看護師全員が対応出来るようになった。脳血管内治療開始までの時間は最短39分、最長106分、平均62.6分であった。次に治療開始までの時間短縮に焦点を当て、2019年3月から一連の流れが把握できる救急医療センター看護師1名を立ち上げ検査介助に従事した。結果、従事した看護師が中心となり、患者受け入れから脳血管内治療開始までの手順を①血管内治療キットの展開と準備 ②患者の体位固定 ③還流セットの準備など細分化し、救急医療センター看護師全員が行えるよう教育、デモンストレーションを行った。教育後はアンケートを取り、看護師の理解度を確認し、個々に合わせた個別的な教育を実施した。看護師から具体的な意見として、物品、薬剤の配置や覆布の操作が分からない等が挙がり、それらを全員で共有し、再度デモンストレーションを行い解決するという方法を行った。また、脳血管内治療に関わる頻度が個々に違う為、治療開始までの一連の流れの動画を作成し、常時視聴ができるようにしたことで流れの把握が理解出来るようになった。視聴は25名(89.3%)であった。各介助の教育の取り組みの結果、実際の治療場面では、準備が出来るようになった。2019年4月から2020年3月までの脳血管内治療開始までの時間は最短23分、最長95分、平均54.8分と短縮に繋がった。
考察
今回、介助の一連の流れを具体的に可視化する等、教育の工夫をすることで、統一した介助が出来るようになり、脳血管撮影室入室準備から患者入室、治療開始までの時間短縮に繋がったと考える。また治療開始までの介助を細分化することで段階的な教育ができた。さらに、アンケートを実施することで、疑問点が具体的になり、個別的な教育も実施することができ、脳血管内治療開始時間を7.8分短縮できたと考える。今後継続的にカンファレンスで共有することにより更なる時間短縮が目指せると考える。また今後の取り組みとして、救急医療センター看護師全員が、脳血管内治療介助まで担当できるように育成することが課題である。