[O9-14] 救急外来に配置転換した救急看護師の成長
Keywords:救急看護師、成長、配置転換
1.目的
本研究は、救急外来に配置転換した救急看護師の成長とはどのようなものかを明らかにすることにより、救急看護師の育成支援についての示唆を得ることを目的とした。本研究では、成長を「救急患者に対する看護経験を振り返り、気づきや意味づけから看護師としての自分に変化が生じること」とした。
2.方法
研究協力の同意を得た、急性期病院の救命救急センターを有する三次救急医療施設の救急外来に勤務する看護師4名を対象に、半構成的インタビューガイドを用いた面接を行った。分析方法は、面接内容の逐語録からケースごとに内容を熟読し、救急看護師の成長の内容をコード化した。その後、意味内容から類似するコードをカテゴリーとしてまとめた。本研究は、所属大学の研究倫理委員会の承認を得て行った。
3.結果
研究協力者は、看護師4名(男性1名、女性3名)で、看護師経験年数6年6か月~23年、救急外来勤務経験年数3年6か月~6年6か月であった。分析の結果、114のコードから、30のサブカテゴリー、そして最終的に9つのカテゴリーが抽出された。
救急外来に配置転換した救急看護師の成長として、【今までにない自分と対峙し自己肯定できる】【救命チームの一員として使命を果たす力が備わる】【確信をもって対象の先を見通す力が備わる】【対象の捉えや視点が変わることでケアが変わる】【病棟経験を織り交ぜ試行錯誤し実践が洗練される】【価値判断の基準が変わるからこそ迷いが生じる】【自分にしかできない役割が見えてくる】【配置転換を通して心から大切にしたい看護を再確認する】【今後のビジョンや看護師としての理想像が見えてくる】の9つのカテゴリーが抽出された。
4.考察
救急看護師の成長の特徴として、[自分と向き合う][救う力が備わる][ケアが洗練される][自らの看護のコアを再認識する]の4つを見出した。救急外来に配置転換となった看護師は、これまでに経験のないストレスや、苦悩を感じる[自分と向き合う]。救命チームの一員としての使命を果たすために努力し,救命の[力が備わり(る)]、実践力が向上した[自分と向き合う]中で、[見え方や基準が変わりケアが洗練する]。看護師が持つ基準が変化すると、病棟からの看護経験を現在の実践に織り交ぜて、対象への看護を試行錯誤してケアを洗練させることができるようになる。ケアの成果を感じることや、他者からの承認を得て、さらに[自分と向き合い(う)]、自己肯定をしていく。そして、今の自分に培われた力や思考、視点の広がりから、看護観や今後の方向性が明確になり、[看護のコアとなるものが見えてくる]と考えられた。また、[看護のコアとなるものが見えてくる]ことで、さらに救急看護師の見え方や基準に変化を生じさせ、より洗練された看護実践が可能になると考えられた。
本研究は、救急外来に配置転換した救急看護師の成長とはどのようなものかを明らかにすることにより、救急看護師の育成支援についての示唆を得ることを目的とした。本研究では、成長を「救急患者に対する看護経験を振り返り、気づきや意味づけから看護師としての自分に変化が生じること」とした。
2.方法
研究協力の同意を得た、急性期病院の救命救急センターを有する三次救急医療施設の救急外来に勤務する看護師4名を対象に、半構成的インタビューガイドを用いた面接を行った。分析方法は、面接内容の逐語録からケースごとに内容を熟読し、救急看護師の成長の内容をコード化した。その後、意味内容から類似するコードをカテゴリーとしてまとめた。本研究は、所属大学の研究倫理委員会の承認を得て行った。
3.結果
研究協力者は、看護師4名(男性1名、女性3名)で、看護師経験年数6年6か月~23年、救急外来勤務経験年数3年6か月~6年6か月であった。分析の結果、114のコードから、30のサブカテゴリー、そして最終的に9つのカテゴリーが抽出された。
救急外来に配置転換した救急看護師の成長として、【今までにない自分と対峙し自己肯定できる】【救命チームの一員として使命を果たす力が備わる】【確信をもって対象の先を見通す力が備わる】【対象の捉えや視点が変わることでケアが変わる】【病棟経験を織り交ぜ試行錯誤し実践が洗練される】【価値判断の基準が変わるからこそ迷いが生じる】【自分にしかできない役割が見えてくる】【配置転換を通して心から大切にしたい看護を再確認する】【今後のビジョンや看護師としての理想像が見えてくる】の9つのカテゴリーが抽出された。
4.考察
救急看護師の成長の特徴として、[自分と向き合う][救う力が備わる][ケアが洗練される][自らの看護のコアを再認識する]の4つを見出した。救急外来に配置転換となった看護師は、これまでに経験のないストレスや、苦悩を感じる[自分と向き合う]。救命チームの一員としての使命を果たすために努力し,救命の[力が備わり(る)]、実践力が向上した[自分と向き合う]中で、[見え方や基準が変わりケアが洗練する]。看護師が持つ基準が変化すると、病棟からの看護経験を現在の実践に織り交ぜて、対象への看護を試行錯誤してケアを洗練させることができるようになる。ケアの成果を感じることや、他者からの承認を得て、さらに[自分と向き合い(う)]、自己肯定をしていく。そして、今の自分に培われた力や思考、視点の広がりから、看護観や今後の方向性が明確になり、[看護のコアとなるものが見えてくる]と考えられた。また、[看護のコアとなるものが見えてくる]ことで、さらに救急看護師の見え方や基準に変化を生じさせ、より洗練された看護実践が可能になると考えられた。