第22回日本救急看護学会学術集会

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一般演題

看護教育

[O9] 一般演題9

[O9-16] 救命病棟新人教育の指導方法の検討

○山内 綾女1、金城 裕介1 (1. 浦添総合病院救命救急センター)

Keywords:指導内容

【目的】
当院の救命病棟は超急性期の患者を受け入れており,1日の患者の出入りが多いことが特徴である.その中でプリセプター制度に基づいた新人教育を1対1で行ってきた.今年度は新人看護師の増員と,病床数の増加があったなかでの教育を行った.新人看護師の身体的精神的な疲労がみえたことから指導方法になんらかの要因があるではないかと考え,分析したのでここで報告する.
【方法】
調査期間:2019年7月1日~2019年7月31日 対象:プリセプター6人(看護師経験年数3,4,6年/プリセプター経験年数1,2年目)プリセプティー4人
データ収集方法:新谷らの『プリセプターシップにおける指導方法の検討』に基づき,当病棟に合わせたアンケートを作成した.回答の選択肢を「行っていた」「ほとんど行っていた」「ほとんど行っていなかった」「行っていなかった」の4つとした.質問内容を誘導しないよう自由記載も取り入れた.
プリセプターへの質問項目
・他の指導者とプリセプティの共有はできていたか,どのようなツールで情報共有したか
・その日のフィードバックは行ったか,フィードバックの中で重視した点,目標設定で重視した点
・仕事以外でプリセプティと関わる機会はあったか,仕事以外の話もしたか などとした.
プリセプティへの質問項目
・日々フォロー看護師が異なるが指導内容(新人が自分で理解する指導と理解するまで教える)については差があるか
・毎月の目標は確認しているか,内容は適切であったか,改善点はあるか
・新人に対しての病棟勉強会の内容は適切であったか
・プリセプターの指導の態度は適切であったか
・プリセプターとは業務内容以外で話す機会はあったか,仕事以外の話もしたか,何か困った時に相談しやすい環境であったかなどとした.
倫理的配慮; 研究は当病院看護部長,所属部署の管理者の許可を得て実施した.アンケート用紙,口頭にてプライバシーの保護の説明を行い本研究への参加の同意を得た.
【結果】
①プリセプターは指導内容に差を感じていると回答した人が2人,まあまあ感じていると回答した人が4人だったが,プリセプティは全員が差を感じていると回答した.②振り返りの方法に関してプリセプター・プリセプティともに差はないと回答したが,プリセプティより「できていないことばかりの振り返りばかりしていた」「指導者によっては指導内容が異なっていたため戸惑った」との意見が多かった.③プリセプターは業務以外での関わりを持っていたと回答した人が3人,全くしていなかったが3人となったが,プリセプティは業務以外での関わりを持っていなかったと全員が回答した.④何か困った際に相談しやすい環境であったかの質問に対して全員が全くないとのこ回答をし,「忙しくて相談しにくい」「勤務が合わずあまり話す機会がなかった」との意見があった.
【考察】
①新人教育をそれぞれの経験で指導した結果,指導の統一がないことが明らかになった.②振り返りの内容がネガティブフィードバックだったといえる.それが仕事へのモチベーションの低下につながっている可能性がある.③④プリセプティと信頼関係を築く上でコミュニケーション不足があったとわかった.相談しにくい環境が出来ている.プリセプターがプリセプティの現状を把握できない.
【結論】
新人教育を行う上で指導方法,指導環境に要因があることが明らかになった.中でも振り返りの内容が大きな要因となっていたことが明らかになった.