[OD201-02] ドクターカー導入1年後のカーナースの教育支援について~アンケートによる実態調査から教育内容を考える~
Keywords:ドクターカー、看護師教育
【はじめに】
A病院では2019年11月ドクターカー運行を開始し2020年11月現在、11名がドクターカーナース(以下カーナース)として同乗している。A病院のカーナース基準は4年以上の救急関連部署の臨床経験があり日本看護協会に準拠したラダー3以上となっている。また、トリアージ、リーダー業務が自立しており、他職種と連携がとれる看護師としている。カーナース11名のうち初期メンバー6名はドクターカー運行に向けて携わっており1年間かけて事前準備が出来た。2020年4月から同乗開始となった新規メンバー5名は、事前のオリエンテーションと資料配布、ペアリングを3回実施後、自己評価と他者評価を行い自立としている。自己学習は個人に委ねられていること、ペアリング中に3回の出動機会がない場合でも評価を用いて判断し自立となっている現状がある。教育内容に関して同乗開始前から支援をしていく必要があり、新規メンバーに聞き取りを行い現状の把握と課題を抽出することを目的に研究を行った。
【目的】
新規メンバーを対象に1年後の現状を把握し、今後の教育体制の課題の抽出をする
【倫理的配慮】
A病院の看護局倫理審査委員会の承認を得た。対象者に向けて研究の説明後、同意を得た。
【方法】
対象:新規メンバー5名
方法:教育内容について自作アンケートへの回答を求め、それをもとに記述内容に対して半構造化インタビューを実施した。
分析方法:アンケートとインタビューをもとに帰納的にカテゴリー分析した。
【結果】
5名からアンケート回収と、インタビューには4名の協力を得られた。救急外来での看護経験歴は平均9年だった。現在のオリエンテーションで十分だと回答した人が1名、どちらとも言えないと回答した人が4名、不十分であると回答した人はいなかった。
分析結果は①教育体制②コミュニケーション③感染④看護実践⑤健康管理の5つのカテゴリーに分けることができた。その中でも教育体制、コミュニケーションに関することが半数以上を占めていた。教育体制に関しては資料の配布だけではなく、シミュレーションなどの訓練を求めていることが分かった。また、コミュニケーションについては、オリエンテーションに含まれていない看護師間の情報共有や待機スタッフとの連絡方法を支援内容として求めていることが明らかになった。
【考察】
事前のオリエンテーションと資料配布についてどちらとも言えないと4名が回答している。これは救急外来において一定のスキルが備わっている看護師であり、ドクターカー同乗の際には過不及なく対応出来ていたため、新しい意見には発展しなかったと考える。また、出動の機会が3回なくとも自立としたが、新規メンバーは院外や救急車内という環境下での実践に則したシミュレーションを求めているため教育内容を検討する緊要がある。そのシミュレーション教育の中に待機スタッフとの連絡方法や、看護師間での情報共有などの実践的な行動訓練を加え教育内容を検討していく必要がある。
A病院では2019年11月ドクターカー運行を開始し2020年11月現在、11名がドクターカーナース(以下カーナース)として同乗している。A病院のカーナース基準は4年以上の救急関連部署の臨床経験があり日本看護協会に準拠したラダー3以上となっている。また、トリアージ、リーダー業務が自立しており、他職種と連携がとれる看護師としている。カーナース11名のうち初期メンバー6名はドクターカー運行に向けて携わっており1年間かけて事前準備が出来た。2020年4月から同乗開始となった新規メンバー5名は、事前のオリエンテーションと資料配布、ペアリングを3回実施後、自己評価と他者評価を行い自立としている。自己学習は個人に委ねられていること、ペアリング中に3回の出動機会がない場合でも評価を用いて判断し自立となっている現状がある。教育内容に関して同乗開始前から支援をしていく必要があり、新規メンバーに聞き取りを行い現状の把握と課題を抽出することを目的に研究を行った。
【目的】
新規メンバーを対象に1年後の現状を把握し、今後の教育体制の課題の抽出をする
【倫理的配慮】
A病院の看護局倫理審査委員会の承認を得た。対象者に向けて研究の説明後、同意を得た。
【方法】
対象:新規メンバー5名
方法:教育内容について自作アンケートへの回答を求め、それをもとに記述内容に対して半構造化インタビューを実施した。
分析方法:アンケートとインタビューをもとに帰納的にカテゴリー分析した。
【結果】
5名からアンケート回収と、インタビューには4名の協力を得られた。救急外来での看護経験歴は平均9年だった。現在のオリエンテーションで十分だと回答した人が1名、どちらとも言えないと回答した人が4名、不十分であると回答した人はいなかった。
分析結果は①教育体制②コミュニケーション③感染④看護実践⑤健康管理の5つのカテゴリーに分けることができた。その中でも教育体制、コミュニケーションに関することが半数以上を占めていた。教育体制に関しては資料の配布だけではなく、シミュレーションなどの訓練を求めていることが分かった。また、コミュニケーションについては、オリエンテーションに含まれていない看護師間の情報共有や待機スタッフとの連絡方法を支援内容として求めていることが明らかになった。
【考察】
事前のオリエンテーションと資料配布についてどちらとも言えないと4名が回答している。これは救急外来において一定のスキルが備わっている看護師であり、ドクターカー同乗の際には過不及なく対応出来ていたため、新しい意見には発展しなかったと考える。また、出動の機会が3回なくとも自立としたが、新規メンバーは院外や救急車内という環境下での実践に則したシミュレーションを求めているため教育内容を検討する緊要がある。そのシミュレーション教育の中に待機スタッフとの連絡方法や、看護師間での情報共有などの実践的な行動訓練を加え教育内容を検討していく必要がある。