第23回日本救急看護学会学術集会

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第23回日本救急看護学会学術集会 [一般演題] » 5.重症患者看護②

[OD502] 5.重症患者看護②

[OD502-02] 重症患者に対する健康支援介入の臨床的効果:システマティックレビューとメタ解析

○石貫 智裕1 (1. 札幌医科大学保健医療学研究科)

Keywords:健康支援介入、精神的介入、身体的介入

【目的】
重症患者に対する救命率は向上したが、ICU退室後の集中治療後症候群 (Post Intensive Care Syndrome :PICS) は、QOL (Quality of Life) 低下の要因になっている。PICS予防のために様々な精神的・身体的支援が行われ、RCTによる報告はあるものの、その効果は一定の見解が得られていない。さらに、精神面と身体面の双方による包括的な支援 (Health Support Intervention :HSI) の有効性も不明である。本研究の目的は、重症患者に対する身体的・精神的・包括的な支援によってQOLの改善に効果があるかエビデンスを創出することである。
【方法】
システマティックレビューはPRISMA声明に準拠し独立した2人の研究者で実施した。エンドポイントはHADS・EQ-5D-5L・SF-36とした。メタ解析にはReview Manager Software 5.4を使用し、フォレストプロット・ファンネルプロット・バイアス評価を行った。研究はPRPSPEROにレジストリーした (#CRD42020198973)。
【結果】
採用文献は14件で、計2,167名が対象とされた。全ての文献で実行バイアスと症例減少バイアスが大きかった。HADSに関して、HSIは不安 (95%CI [0.13-1.74]、P = 0.02) およびうつ病 (95%CI [0.07-0.90]、P = 0.02) を軽減した。SF-36に関して、身体的支援はPCS (95%CI [0.81-3.87]、P = 0.003) およびMCS (95%CI [1.48-5.07]、P = 0.0003) を改善した。EQ-5D-5Lは有意差を認めなかった。
【考察】
不安や抑うつは精神的・身体的な反応の双方に影響されており、包括的な支援 (HSI) はQOL向上に有用と考えられた。一方で運動療法はストレス反応を集合的に改善するとされており、身体的支援が精神的反応にも効果的であった。重症患者のQOL評価にはEQ-5D-5Lは感度が低く使用できない可能性が明らかとなった。
【結論】
包括的な支援 (HSI) は重症患者の不安とうつ病を改善し、身体的支援のみでもQOLを改善することが明らかとなった。一方で、HSIは重症患者のEQ-5D-5Lに影響を与えなかった。
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