第6回日本在宅医療連合学会大会

講演情報

シンポジウム

07-1:多職種連携

シンポジウム1:働き方改革を進めるための在宅におけるタスクシェア(職種の壁を打ち破るためのワーキンググループ活動報告)

2024年7月20日(土) 08:30 〜 10:00 第2会場 (国際会議室)

座長:谷水 正人(南松山病院)、平原 優美(日本訪問看護財団)

09:00 〜 09:20

[S1-2] 在宅医療における管理栄養士の役割

*渡部 弥生1、立野 慶1、望月 弘彦2 (1. 医療法人社団 ユニメディコ、2. 相模女子大学)

2004年 鎌倉女子大学短期大学部卒業
2004年 給食委託会社、介護老人保健施設
2014年 医療法人社団ユニメディコ 栄養部部長スポーツ医科学研究所 副所長在宅訪問栄養指導、通所介護、リハビリ、小児福祉食育、スポーツ栄養等【資格】管理栄養士、介護支援専門員、在宅栄養専門管理栄養士、在宅訪問管理栄養士【所属】日本在宅栄養管理学会会員 横須賀地区栄養士連絡協議会在宅チームリーダー 神奈川県栄養士会第4ブロック役員
訪問栄養食事指導の実績件数は、他専門職種の訪問サービス実施件数と比べ少ないが、増加傾向にある。令和6年診療報酬・介護報酬制度の改定では、リハビリテーション、口腔、栄養の連携が評価されることとなり、在宅療養支援診療所・病院における訪問栄養食事指導の推進として、訪問栄養食事指導体制の整備が行われた。訪問栄養食事指導を実施している診療所や病院は少ないが、認定栄養ケア・ステーション等は増えつつある。当法人では、2014年から在宅訪問栄養食事指導を開始、2020年に認定ケア・ステーションを設置、管理栄養士は、在宅医療に大きく関わるようになった。医師、看護師、歯科医師等との同行訪問を実施、医療事務員、看護補助事務員、および歯科助手としての役割も担っている。同行訪問によって、疾患やその治療方針への理解が深まり、訪問食事栄養指導の質向上につながった。また、訪問診療時に患者の医療的課題および栄養課題を同時に把握することで、直接医師から指示を受け、訪問食事栄養指導につながるケースも増えた。同行訪問は在宅医療の経験の少ない管理栄養士の臨床経験、臨床教育にも有用であった。在宅療養患者の食支援は多職種で関わる事が多く、患者個々の生活環境やニーズに合わせ、各専門職が支援するサービスの幅を変える必要がある。多職種同士がお互いの専門性を理解し、相互相談できる関係性が必要である。多職種連携の問題点としては、訪問回数が精神的負担になるケースや事業所、他職種間との連携方法等が上げられる。令和6年介護報酬の改定により、医師と管理栄養士の居宅療養管理指導における同一日算定が可能となり、同日に訪問することで多職種連携がしやすくなった。管理栄養士が多職種連携の架け橋として食支援を行う事で、管理栄養士自身の指導技術や地域の在宅医療の質の向上にもつながっていく。