第6回日本在宅医療連合学会大会

講演情報

ポスター

06-2:事業所運営・経営

一般演題(ポスター)事業所運営・経営

2024年7月20日(土) 14:45 〜 15:25 ポスター会場1 (コンベンションホールA)

座長:遠矢 純一郎(桜新町アーバンクリニック)

14:50 〜 14:55

[P-1-97] 非常勤医師の多い訪問診療所でコメディカル
が担う役割について

*浅野 慶彦1,2 (1. 医療法人社団和啓会、2. メディクス松戸クリニック)

はじめに
在宅医療を専門に従事する医師は不足しており、当院でも週に1日などの勤務体系の非常勤の医師複数名が多くの患者の診療を担っている。当院では常勤医師2名に対し非常勤医師が10名在籍しており、看護師4名、医療事務が3名、医療クラーク2名、相談員1名、事務長1名で運営をしている。在宅患者61名のうち25名、施設入所の患者434名のうち238名は非常勤の医師が主治医として診療を行っている。

活動
患者の急な状態の変化も珍しくない在宅医療の現場において、主治医不在時の患者の対応は避けられない。当院では看護師の間で看護記録を共有し、患者の状態を詳細に把握することに努めている。患者のキーパーソンや、施設の職員、訪問看護師とのやりとりなど外部と連絡を取り合うことも多く、実際に医師と同行し患者と接する看護師からの情報は、週1日という限られた勤務時間の非常勤の医師にとっては診療の方向性を判断することに関わる重要なものである。
また、当院の相談員は新規の訪問診療の介入にあたって外部との最初の窓口の役割を担っている。初診時にキーパーソンとなる家族と今後の方向性の擦り合わせを行う当院では、初診前に相談員が取得する情報もその後の診療に深く関わることとなる。

また医療クラークについては患者の診療に同行し、代行して診療記録を残すことに加え、外部へ提出する指示書や報告書などの医師が作成する書類の作成を補助している。当院の使用する電子カルテに触れる機会の少ない非常勤の医師にとっては事務的な作業において相談することができる欠かせない存在となっている。

考察
在宅医療を専門として従事する医師は不足しており今後も非常勤の医師の力に頼らざるを得ない状況は続くことが予想される。クリニックの運営において医師を取り巻く職員のサポートは必要不可欠である。医師だけではなく、それらの人材の流出を防ぎ確保することが非常に重要である。