第6回日本在宅医療連合学会大会

講演情報

シンポジウム

13-1:精神疾患

シンポジウム56:こうする!こうやる!精神科×在宅医療

2024年7月21日(日) 16:00 〜 17:30 第5会場 (会議室302)

座長:守上 佳樹(KISA2隊)、山田 寿美(よしき往診クリニック)

17:10 〜 17:30

[S56-4] メディカルコーディネーターが動く精神科×在宅医療

*柳澤 克哉1 (1. よしき往診クリニック)

2015〜2020年 大阪医科薬科大学病院
神経難病センター 血液内科 循環器内科
2021〜 よしき往診クリニック
当院は京都市西京区に位置しており、末期癌緩和医療や高齢者の内科的管理を中心とし約500名の居宅患者を診療している強化型在宅療養支援診療所である。システムとしてメディカルコーディネーター(以下MC)制を導入している。MCは医師の診療サポートとして処置の介助の他、スケジュール管理、入退院調整などを行い、担当医と担当医以外の医師や外部スタッフを繋ぐ役割を果たしている。医療行為以外の業務をMCが担うことで、医師は診療に専念することができるシステムとなっている。様々な専門分野の医師とMCを組み合わせることで専門性のある患者対応を経験でき、課題解決のための選択肢を専門分野以外の医師に提案しやすくなっている。さらに、クラウド型電子カルテや院外の多職種と連携するための医療介護専用SNSなどICTを活用することで様々な疾患や状況に迅速に対応している。在宅療養者は複数の疾患を有していることが多く、精神疾患を有する患者も多く存在している。引きこもりやPTSDなど様々な理由で通院困難となり訪問診療の依頼が増えてきている。精神疾患患者の問題は訪問診療のみで解決できることは少なく訪問看護、訪問歯科、生活介護など地域の社会資源に支えられ多職種と連携することで自宅での療養生活が成り立っている。しかしながら、実際には医師以外の支援者の介入を拒否する事例も存在する。そのような状況下で、訪問診療を通して他のサービスにつなげることができた事例も増えてきている。今後さらに大幅な病院から地域医療へのシフトが考えられる精神科領域の診療においてMCの担う役割は重要だと考える。また、在宅医療に慣れていない精神科専門医の参入ハードルを下げ、全体としてチーム力上昇にかかせない動きを出すことができていると考える。そうしたMCとしての立場から、今回の在宅診療における課題解決の手段を共有していきたい。