第25回大会会長挨拶
第25回大会 大会会長 篁 倫子
(お茶の水女子大学)
日本LD学会大会も25回目を迎えました。この四半世紀、LDの子どもに対する人々と社会の理解と支援は広がりと進化をみせてきました。この動きを速めた一つの要因には、LDが、ADHDや自閉症スペクトラム等と共に「発達障害」という括りによって、法的に障害として位置づけられ、この総称が社会の中で認識され、支援の整備へとつながったことがあります。昨今は「LDのある子ども」、「ADHDのある子ども」と言い表されるよりも、「発達障害の子ども」と表現されることが増えてきました。そのような時代にあって、今大会は発達障害の子どもの学習・行動・心、そしてその家族への包括的な理解と支援をテーマとしました。「包括的理解と支援」とは、教育、心理、医療、福祉という、発達障害の支援には不可欠な実践的学問に基づいた「包括的な」理解と支援ならびに、障害のある子どもとその家族あるいは家族性に対する「包括的な」理解と支援を意味しています。
一方、日本LD学会は、読み書きの問題を抱える子どもの指導・支援について、最新の研究成果や実践を示し、議論し、情報交換する機会を提供する使命があります。今大会でも、発達障害の子どもの読み書きの問題は中心の話題となります。海外からは、読み書き障害の早期発見や家族研究の専門家であるフィンランドのH.Lyytinen教授(ユヴァスキュラ大学)、読み書き障害の神経心理学研究から、言語とバイリンガルに関する国際比較研究で著名なイギリスのT.Wydell教授(ブルネル大学)をお招きします。また、発達障害の子どもと心と行動の発達について、児童精神科医である斎藤万比古先生(母子愛育会愛育クリニック)にご講演頂く予定です。その他、大会企画シンポジウム、教育講演、自主シンポジウム、ポスター発表等が例年通り、プログラムを構成します。加えて、今大会では口頭事例発表を組み入れる予定です。事例を丁寧に議論する場として、研究会や学会の基本的発表形式である口頭発表を復活させたいと考えています。
また、大会前夜に一般公開のプレコングレスを企画いたしました。「今だからわかる…本当に必要な支援とは」というテーマで当事者、保護者、支援者が同じステージに立ち、語り合っていただく予定です。
さて、本学会のような大規模の学会集会を開催する場合、最重要事項ともなるのが会場ですが、東京周辺で好施設と評価の高い、パシフィコ横浜会議センター全館を借りて行います。
最後になりましたが、第25回大会(東京)はS.E.N.Sの会東京支部会が中心となり、神奈川支部会、埼玉支部会の協力を得て、開催されます。参加される会員のみなさまにとって、確かな学び合いとなる機会を提供できますよう、実行委員会一同準備を重ねております。みなさまのご参加をお待ちしております。