一般社団法人 日本LD学会 第25回大会(東京)

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[JA1] 養育レジリエンスを高めよう

トリプルPによる介入の効果

2016年11月19日(土) 10:00 〜 11:30 511+512 (会議センター5階)

企画者:江上千代美(福岡県立大学),司会者:島嵜仁恵(摂津市立鳥飼東小学校),話題提供者:白山真知子(NPO法人トリプルPジャパン),話題提供者:江上千代美(福岡県立大学),指定討論者:柳川敏彦(和歌山県立医科大学)

10:00 〜 11:30

[JA1] 養育レジリエンスを高めよう

トリプルPによる介入の効果

江上千代美1, 島嵜仁恵2, 白山真知子3, 柳川敏彦4 (1.福岡県立大学, 2.摂津市立鳥飼東小学校, 3.NPO法人トリプルPジャパン, 4.和歌山県立医科大学)

【企画の趣旨】親の養育態度や行動が子どもの発達に影響を与える一方、親の養育態度・行動も子どもの影響を受けるという相互作用が報告されている。子どもの情緒や行動の問題が大きいと、親は子どもの情緒や行動に効果的に対処できずに、自分自身の健康状態を悪化させ、なおかつ不適切な養育を行っていることが推測される。また、子ども自身も不適切な養育を受けることによって情緒や行動の悪化をまねくという負の連鎖が起きる。これらの課題に介入する親支援の手立てとしてぺアレント・プログラムがある。日本で展開されているぺアレント・プログラムは多数存在するが、その介入によって親や子どもの変化を評価したものは少ない。その中で、Positive Parenting Program(トリプルP)は世界保健機構が推奨したプログラム(2009年度報告書)の1つであり、世界25か国以上の国で家族支援プログラムとして使用されている。トリプルPは親の知識・技術・自信を高め、子どもの行動面と情緒面および成長過程の問題を予防して対処できる、親の自己調整力を育成することを目的としたプログラムである。トリプルPのこれまでの研究から、親の不適切な子育てやストレスの軽減、虐待や児童施設での保護発生率の減少、子どもの問題行動の減少などが報告されている。
ところで、発達に課題のある子どもの成長過程において、親はさまざまな困難にぶつかることがあり、これらを適切に対処して乗り越える力が必要となる。なぜならば、親業は一生続くものであり、困難に適切に対応することによって親自身の自信ばかりでなく、子どもの成長にもよい影響がでるからである。つまり、親支援プログラムとして重要な要素の一つとして、その場限りではなく、中長期的に起こりうる子どもの成長過程に生じるさまざまな課題を親が乗り越える力を身につけることが必要となる。Suzuki(2015)らは養育困難があるにも関わらず良好に適応する過程として養育レジリエンスを定義し、養育レジリエンス尺度を開発した。つまり、親支援プログラムの基盤に、養育レジリエンスを高める要素が必要となる。
今回の自主シンポジウムでは①トリプルPの紹介、②トリプルPの実践報告、③トリプルPと養育レジリエンスとの関係について話題提供する。

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