13:00 〜 14:30
[JG9] 聴覚と視覚の発達から考える困り・2
視覚から考える発達の困り
【企画の趣旨】学習の基盤となる読み書きにはさまざまな能力が必要である。学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(AD/HD)、高機能広汎性発達障害(HFPDD)等の発達障害、または、その他の発達に課題がある児童では、視覚能力にも問題を抱えているために、様々な学習や行動に困難が生じている場合がある。例えば、屈折異常や眼疾患による視力不良があると、「見ようとするものがよく見えない」、「顔を近づけてみるため見る姿勢が悪くなる」、「読み書きを含む近距離で行う作業で集中力が続かない」ことがある。また発達特性に加え両眼視機能の不良があれば「ものが二重に見える」、「距離感が捉えられない」などの症状が見られ、学習や運動の妨げとなることがある。視線をすばやく正確に移動させる能力である衝動性眼球運動は、学習や運動を行う上で重要な能力であり、「読み飛ばしが多い」、「勝手読みをしてしまう」、「プリント教材でどこを見ているか分からなくなる」などの症状の原因となることがある。また、衝動性眼球運動は、視写、とくに黒板からノートへの書き写しにおいても重要な役割を果たしている。また、発達障害のある児童では、「算数の図形課題が苦手」「漢字が覚えられない」「書いた文字のバランスが整わない」などの問題がみられることがあり、視覚-運動情報処理速度、空間知覚・認知、形態知覚・認知、視覚短期記憶、目と手の協応などの視覚情報処理能力の問題が背景にあると考えられる。これらの視覚関連の問題に対し、従来からのビジョントレーニングに加え、近年はタブレット端末の利用が試みられ、学習や運動面の苦手さの改善に効果があることが報告されている。上記のことから、視覚能力に問題がある児童の支援を行う場合、知覚・認知的な側面と、眼科的側面の双方のアセスメントに基づく視覚発達支援を行うことでより大きな効果が期待できると考えられる。
本シンポジウムでは、視覚支援の適用範囲、効果の限界、トレーニング以外の支援方法などについて議論を行う。
本シンポジウムでは、視覚支援の適用範囲、効果の限界、トレーニング以外の支援方法などについて議論を行う。
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