15:00 〜 16:30
[JH3] 自閉スペクトラム症の感覚処理の社会機能への影響
音環境を中心とした多領域からの支援にむけて
【企画の趣旨】近年、発達障害は私たちの社会の大きな課題となっており、児童に限らず、成人の発達障害にも就労支援など多方面でのサービスの充実がますます求められている。発達障害のなかでも、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorders: ASD)は、生後まもなくから症状が現われる精神神経発達障害で、他の発達障害や精神障害の合併も多く、早期から医療だけでなく教育機関や福祉施設など多領域が連携し、ASDの認知やコミュニケーションの弱さを考慮した周囲の働きかけの内容や家庭・学校・職場など生活環境の見直し・調整を行う必要がある。ASDに対する理解を深め支援を進めることは、医療や教育・福祉にとって最重要課題の一つといえる。
ASDの感覚処理の非定型性は、Kannerの最初の報告以来、ASDでしばしば報告されており、最近、アメリカ精神医学会のASDに関する診断基準が改定され、感覚過敏/鈍麻というこれまで診断基準に含められていなかった項目が含められたこともあり、ますます注目が増している。ASDの非定型的な感覚処理特性は、家庭生活や学業・就労など生活の様々な場面での不適応行動との関連を認め、治療的な介入を要する場合もあることが知られている。
ASDの感覚処理特性の非定型性は、全ての感覚で報告されているが、中でも聴覚は頻繁に報告されており、言語発達にも関連し、社会生活やコミュニケーションに対する影響は大きい。最近は、ASDの感覚処理特性に関する生理学的研究も増え病態理解が進んでいる。聴覚環境は、音環境として測定方法が確立されており、学校や職場の音環境を改善することで、社会生活への適応が得やすいと考えられる。
本シンポジウムでは、ASDの感覚処理特性、特に聴覚処理に関連する神経生理学や建築学の最近の知見を紹介し、今後の多領域からのASDの社会生活支援について検討する。まず、ASDの感覚処理に関する最近の生理学的研究を紹介し、我が国の環境衛生基準(学校・職場など)を踏まえてASDを有する場合に想定される生活上の困難さについて検討する。そして、ASDの感覚処理特性が日常生活から矯正医療の現場まで幅広く影響する重要課題であることについて触れ、最近注目されている学校や保育現場での音環境保全に関して建築音響工学からの知見について紹介する。そして、指定討論では、当事者として期待するASDの感覚処理への対応について発表していただく予定である。
ASDの感覚処理の非定型性は、Kannerの最初の報告以来、ASDでしばしば報告されており、最近、アメリカ精神医学会のASDに関する診断基準が改定され、感覚過敏/鈍麻というこれまで診断基準に含められていなかった項目が含められたこともあり、ますます注目が増している。ASDの非定型的な感覚処理特性は、家庭生活や学業・就労など生活の様々な場面での不適応行動との関連を認め、治療的な介入を要する場合もあることが知られている。
ASDの感覚処理特性の非定型性は、全ての感覚で報告されているが、中でも聴覚は頻繁に報告されており、言語発達にも関連し、社会生活やコミュニケーションに対する影響は大きい。最近は、ASDの感覚処理特性に関する生理学的研究も増え病態理解が進んでいる。聴覚環境は、音環境として測定方法が確立されており、学校や職場の音環境を改善することで、社会生活への適応が得やすいと考えられる。
本シンポジウムでは、ASDの感覚処理特性、特に聴覚処理に関連する神経生理学や建築学の最近の知見を紹介し、今後の多領域からのASDの社会生活支援について検討する。まず、ASDの感覚処理に関する最近の生理学的研究を紹介し、我が国の環境衛生基準(学校・職場など)を踏まえてASDを有する場合に想定される生活上の困難さについて検討する。そして、ASDの感覚処理特性が日常生活から矯正医療の現場まで幅広く影響する重要課題であることについて触れ、最近注目されている学校や保育現場での音環境保全に関して建築音響工学からの知見について紹介する。そして、指定討論では、当事者として期待するASDの感覚処理への対応について発表していただく予定である。
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