15:00 〜 16:30
[JH5] 適切な自己理解を促すための指導・支援とはⅢ
困ったときに相談することを支援する
【企画の趣旨】横浜市自己理解研究会(元横浜市小学校情緒障害通級指導教室追跡調査研究会)では、平成24年度に、通級卒業生を対象とした追跡調査を実施した。その後、追跡調査の結果を踏まえて、小・中学校期での学校教育における「適切な自己理解を促す指導・支援モデル」の検討を行い、「人とのつながり」という視点から4つの観点を示し、その観点に沿って取り組んだ各通級指導教室での指導実践をまとめてきた。
昨年の自主シンポジウムでは、発達障害のある子どもたちにとって、自己評価と他者評価を繰り返しながら自分の実態を把握し、自己理解を深めていくことが重要であること、また、その過程では、本人の思いを尊重しながら、信頼できる大人とのやりとりを繰り返していくことで、自己理解は深まりをみせ、円滑な社会生活を送れるようになることをまとめた。そして、今後の課題として、「困った時に他者に相談すること」を教える必要があることが挙げられた。
通級による指導における自己理解を促す指導・支援では、本人に発達障害等があることを自覚させることが目的ではなく、社会で生きていく上で、自分が必要としているものについて考えることができ、信頼できる他者に相談し問題を解決することができることが目標として重要になる。このことは、自己判断、自己選択、自己決定の力を育み、自分に必要な合理的配慮に関する意思の表明にもつながっていく。
しかしコミュニケーション能力やコミュニケーション態度が不足しがちな彼らにとって、「自分から他者に相談すること」は予想以上にハードルが高く、タイミングや機会を逸するなど、失敗経験を重ねてしまうことも多い。また、ライフステージが上がるにつれて、相談する相手は、親や教師などの身近な大人から、同世代の仲間に広がっていく。もちろん重要な他者の存在は、個々の生活環境によっても変化していくものであるが、人間関係の構築に困難さがある彼らにとって、親しい友人関係を築くことは難しく、必要なときに身近に相談できる存在がいないということも十分に危惧される。「相談できる人の存在」と「自ら相談できる力」の両面についての支援が必要である。
本シンポジウムでは、学校教育の中で「相談」を教えることができるのか。具体的には、どのように相談することを教えていくのか。相談活動を繰り返すことで、本人の自己理解が深まり、適切な自己理解へとつながる道を探ることができるのか。その指導・支援の在り方について、指定討論者やフロアとともに検討していきたい。そのため、指定討論の先生方には、フロアとの有意義な意見交換のきっかけとなるような問題提起をしていただきたいと考えている。
小林潤一郎先生には、医療的な視点から、発達障害のある子どもに生じやすい学校生活・社会生活への不適応の予防や早期対応に、信頼できる他者への相談がどのような意義を持つか、相談を進めるために教育と医療はそれぞれどのような役割を担い、連携したらよいかまとめていただく。
小島道生先生には、教育的な視点から、発達障害のある子どもの自己理解を育てる支援において、相談できる力を支える力、相談できる力と発達段階や特性、さらには相談できることと周囲との関係や環境などについてまとめていただく予定である。
昨年の自主シンポジウムでは、発達障害のある子どもたちにとって、自己評価と他者評価を繰り返しながら自分の実態を把握し、自己理解を深めていくことが重要であること、また、その過程では、本人の思いを尊重しながら、信頼できる大人とのやりとりを繰り返していくことで、自己理解は深まりをみせ、円滑な社会生活を送れるようになることをまとめた。そして、今後の課題として、「困った時に他者に相談すること」を教える必要があることが挙げられた。
通級による指導における自己理解を促す指導・支援では、本人に発達障害等があることを自覚させることが目的ではなく、社会で生きていく上で、自分が必要としているものについて考えることができ、信頼できる他者に相談し問題を解決することができることが目標として重要になる。このことは、自己判断、自己選択、自己決定の力を育み、自分に必要な合理的配慮に関する意思の表明にもつながっていく。
しかしコミュニケーション能力やコミュニケーション態度が不足しがちな彼らにとって、「自分から他者に相談すること」は予想以上にハードルが高く、タイミングや機会を逸するなど、失敗経験を重ねてしまうことも多い。また、ライフステージが上がるにつれて、相談する相手は、親や教師などの身近な大人から、同世代の仲間に広がっていく。もちろん重要な他者の存在は、個々の生活環境によっても変化していくものであるが、人間関係の構築に困難さがある彼らにとって、親しい友人関係を築くことは難しく、必要なときに身近に相談できる存在がいないということも十分に危惧される。「相談できる人の存在」と「自ら相談できる力」の両面についての支援が必要である。
本シンポジウムでは、学校教育の中で「相談」を教えることができるのか。具体的には、どのように相談することを教えていくのか。相談活動を繰り返すことで、本人の自己理解が深まり、適切な自己理解へとつながる道を探ることができるのか。その指導・支援の在り方について、指定討論者やフロアとともに検討していきたい。そのため、指定討論の先生方には、フロアとの有意義な意見交換のきっかけとなるような問題提起をしていただきたいと考えている。
小林潤一郎先生には、医療的な視点から、発達障害のある子どもに生じやすい学校生活・社会生活への不適応の予防や早期対応に、信頼できる他者への相談がどのような意義を持つか、相談を進めるために教育と医療はそれぞれどのような役割を担い、連携したらよいかまとめていただく。
小島道生先生には、教育的な視点から、発達障害のある子どもの自己理解を育てる支援において、相談できる力を支える力、相談できる力と発達段階や特性、さらには相談できることと周囲との関係や環境などについてまとめていただく予定である。
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