一般社団法人 日本LD学会 第25回大会(東京)

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[KB2] 知的障害特別支援学校における教員の対話に基づいた形成的評価の実践報告

「5分間ミーティング」の仕組みと内容に焦点を当てて

2016年11月19日(土) 12:00 〜 13:30 313+314 (会議センター3階)

○宮野雄太(横浜市立港南台ひの特別支援学校),司会者:岡田智(北海道大学教育学研究院)

12:00 〜 13:30

[KB2] 知的障害特別支援学校における教員の対話に基づいた形成的評価の実践報告

「5分間ミーティング」の仕組みと内容に焦点を当てて

宮野雄太1 (1.横浜市立港南台ひの特別支援学校)

【事例の概要】知的障害や肢体不自由を持つ児童生徒を対象とした特別支援学校では、一学級を複数の教員で担任する「複数担任制」がとられていることが多い。複数担任制のメリットとして、児童生徒の多面的評価が可能となり、一教員では実現できないダイナミックな授業を展開できることなどが挙げられている(大野,1987;上松,1996)。
 一方、複数担任制は、デメリットも含んでおり、担任間を越えた一貫した指導が難しいことや、担任集団がお互いに依存し合う、といった課題などが挙げられている(大野、1987)。複数担任制に基づく指導形態であるチーム・ティーチング(以下、TT)について、中澤(1987)は「相互不干渉は非協力である」と述べており、担任同士の協働について問題を指摘している。
 近年も、TTを効果的に機能させるために、担任同士の「コミュニケーション」が重要とされている(村中,2011)。特に、児童生徒の多面的理解を実現するには、評価を担任同士が協働して行う必要性が指摘され(長沼,2005)、また診断的評価として「協同的アセスメント」が試みられている(玉木・大柴・渥美,2003)。しかしながら、この教員同士のコミュニケーションは、学年への所属が長い教員の発言権が強い(加来,2011)、そもそも教員同士がコミュニケーションに割く時間を確保できないなど、現実的な課題を含んでいる。以上のように、複数担任制やTTを支える「教員同士の対話」による協働した評価に困難な状態が見受けられる。
 A市立B特別支援学校では、校内研究を用いて、隔週で5分間だけ、一人の児童生徒の実態把握と支援方法の検討を行う事例研究に取り組んだ。この取り組みの中で、複数担任制における担任の対話に基づいた形成的評価の実践を行なった。この取り組みを『5分間ミーティングでケーススタディー』と呼び、本研究は『5分間ミーティング』の内容と仕組みを、これまでのB校の在り方と比較し、複数担任制における子どもの形成的評価の在り方について検討する。

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