一般社団法人日本鉱物科学会2021年年会・総会

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R1:鉱物記載・分析評価(宝石学会(日本) との共通 セッション)

2021年9月17日(金) 09:30 〜 18:30 ePoster Session

09:30 〜 18:30

[R1P-03] 大日向酸性岩類の高塩濃度流体包有物の析出結晶

*黒澤 正紀1、津田 拓哉2 (1. 筑波大・生命環境、2. 筑波大院・地球)

キーワード:流体包有物、娘結晶、走査型電子顕微鏡、花崗岩、熱水流体


秩父鉱山など多金属型鉱床を形成する花崗岩起源熱水流体の化学的特徴を明らかにするため、長野県佐久穂町の大日向酸性岩類の熱水石英脈の石英単結晶中の多相流体包有物について、その均質化温度・析出結晶・液相に含まれる溶存元素などを検討した。その結果、多相包有物の均質化温度は平均542℃、塩濃度約56 wt% NaClで、多相包有中の析出結晶として、多量の岩塩・カリ岩塩・塩化鉄・カリマンガン塩化物・塩化カルシウム,少量の赤鉄鉱・黄鉄鉱・黄銅鉱・硬石膏・重晶石・カリ長石・白雲母・ルチル、さらに、閃亜鉛鉱・蛍石・砒鉄鉱・方鉛鉱・輝水鉛鉱・モナズ石・バナジウムに富む赤鉄鉱を確認した。