一般社団法人日本鉱物科学会2021年年会・総会

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R1:鉱物記載・分析評価(宝石学会(日本) との共通 セッション)

2021年9月17日(金) 09:30 〜 18:30 ePoster Session

09:30 〜 18:30

[R1P-04] 山口県美祢市長登銅山梅が窪坑に産する鉱石鉱物とスカルン鉱物の鉱物学的特徴

*窪津 優花1、永嶌 真理子1 (1. 山口大学院・創成科学)

キーワード:長登、銅、スカルン


秋吉石灰岩地域南東部に位置する長登銅山は日本最古の国営銅山として知られている.本研究では,銅スカルン鉱床である長登銅山梅ヶ窪坑のズリから採取された鉱石の鉱物組み合わせや鉱物の化学的特徴を明らかにし,形成過程を検討することを目的とする.梅が窪坑は珪灰石スカルン,珪灰石-ザクロ石スカルン,ザクロ石スカルン,磁鉄鉱を主とする鉱石,結晶質石灰岩からなり,最も卓越するスカルンは珪灰石スカルンである.主要鉱石鉱物は斑銅鉱と黄銅鉱であり,特に斑銅鉱が卓越する.鉱石鉱物の晶出順序は前期から晩期に含Cu鉱物,前期から中期に含Co鉱物,中期から後期に含Bi鉱物,含Te鉱物,含Ag鉱物,含Pb鉱物,晩期に含Sb鉱物であると考えられる.斑銅鉱内にウィチヘン鉱と黄銅鉱の離溶組織があることから含Bi鉱物の晶出時に温度低下があったと考えられる.