R1：鉱物記載・分析評価（宝石学会(日本) との共通 セッション）

[R1P-12] 愛知県中宇利鉱山から産するゴベリン石およびそのNi置換体について

*下林 典正¹、高谷 真樹¹、浜根 大輔²、大西 政之、丹羽 健文³ (1. 京都大・院理、2. 東京大・物性研、3. 名古屋鉱物同好会)

キーワード：クテナス石、ゴベリン石、Ni置換体、中宇利鉱山、新鉱物

愛知県新城市中宇利鉱山の転石から淡緑色のクテナス石様鉱物が見出され、EPMA分析の結果、クテナス石［ZnCu₄(SO₄)₂(OH)₆･6H₂O］のZnをNi・Coで置き換えたものであることが判明した。クテナス石のCo置換体は、新鉱物ゴベリン石（gobelinite）として2018年に承認され、その化学式は (Co,Ni)(Cu,Zn)₄(SO₄)₂(OH)₆･6H₂O と記載されている。今回 中宇利鉱山から見出されたものは、Co：Niがほぼ1：1の中間組成で、日本初産のゴベリン石から未知鉱物であるそのNi置換体までの組成範囲を示す。また、ゴベリン石のNi置換体についても、よりNiに富む鮮青色の鉱物として同産地から見出されており、IMA-CNMNCに新鉱物として申請中（2022-065）である。