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[R2-10] Portlandite Ca(OH)2からの炭酸カルシウム生成メカニズム
キーワード:二酸化炭素回収・貯留、ポートランド石、方解石、アラゴナイト、バテライト
大気中の温室効果ガスの影響で地球の気温が上昇する地球温暖化問題は,人類の生存を脅かしかねない極めて深刻な問題である.本研究では,炭酸塩化プロセスで形成される炭酸カルシウムに着目して実験を行った. 実験は,合成したportlanditeをCO2ガスに満たしたデシケータ内に置き,相対湿度(RH) = 0%,30%,60%,99%に保持して,一定時間CO2ガスに晒した.放射光粉末X線回折(XRD)測定は,KEK-PF,BL8Bで実施した. 実験の結果, RH = 0%では3週間でも炭酸カルシウムは形成されなかった.一方,RH = 30%では2日後にcalciteが形成し,RH = 99%では24時間後に完全にcalciteに変化していた.ところが,RH = 60%では,12時間後からcalciteだけでなく,aragoniteとvateriteの3相の回折ピークが確認され,少なくとも14日後まで存続した.本研究の結果, portlanditeの炭酸塩化はRH = 60%のときには,RH = 30%,99%のときとは異なる反応経路を示す可能性が確認された.