一般社団法人日本鉱物科学会2022年年会・総会

講演情報

ポスター

R2:結晶構造・結晶化学・物性・結晶成長・応用鉱物

2022年9月19日(月) 09:00 〜 15:30 B256 (総合教育研究棟 B棟2F)

09:00 〜 15:30

[R2P-02] Hopeite型(Fe,Co,Ni)Zn2(PO4)2・4H2Oの脱水挙動と結晶構造の変化

「発表賞エントリー」

*田沼 怜1、山根 崚2、杉山 和正2 (1. 東北大・院工、2. 東北大・金研)

キーワード:リン酸亜鉛鉱物、XAFS測定、脱水

HopeiteおよびPhosphophylliteは輸送機器の鋼板保護に用いるリン酸亜鉛処理プロセスに利用されている.共存元素を変化させ析出する亜鉛を含むリン酸塩鉱物の特性に関する知見を深めることで,先進プロセスの開発と社会実装を目指す.本研究では4種類の遷移金属を添加したリン酸亜鉛を対象にし,TG-DTAおよび高温粉末XRD測定を行い,結晶構造・化学組成の違いによる脱水挙動の違いを調べた.XAFS測定はKEK-PFのBL-12Cを用いてFe,Co,NiおよびZnのK吸収端(7112 eV,7709 eV,8333eVおよび9659 eV)で測定を行った.FeZn2(PO4)2·4H2OのT=500 ℃における高温粉末XRD測定の結果からFePO4,Zn3(PO4)2の二相が共存していることが判明した.一方,MZn2(PO4)2·4H2O (M=Co,Ni,Cu,Zn)のT=500 ℃における高温粉末XRD測定の結果からZn3(PO4)2の構造が単独で存在していることが判明した.XAFS測定においてもFe原子のみが温度変化とともに吸収端が高エネルギー側にシフトし,酸化が進んでいることが判明した.