R3：高圧科学・地球深部

[R3-03] マントルオリビンの非平衡相転移によるせん断不安定化と超塑性：遷移層スラブの多結晶組織進化とレオロジー

*久保 友明¹、本田 陸人¹、後藤 祐太¹、今村 公裕¹、宮原 正明²、肥後 祐司³、鈴木 昭夫⁴ (1. 九州大・理、2. 広島大・理、3. JASRI、4. 東北大・理)

キーワード：オリビン−スピネル相転移、ポストスピネル相転移、変形、放射光

D-111型高圧変形装置による実験を中心に、放射光その場観察、AE測定、電子顕微鏡観察等から、準安定オリビンを母相とする一連の非平衡相転移と変形の相互作用プロセスを遷移層条件下で直接的に検討した。その結果、オリビンースピネル相転移の低温初期段階でせん断不安定化を示すが、その後は速やかに超塑性変形へと移行し、それはポストスピネル共析反応をへても持続されることが明らかになった。上下マントル境界を通過する遷移層スラブの相転移断層形成と超塑性といった特徴的な変形挙動には非平衡相転移が重要な役割を果たしている。