一般社団法人日本鉱物科学会2022年年会・総会

講演情報

口頭講演

R4:地球表層・環境・生命

2022年9月19日(月) 09:00 〜 12:00 B253 (総合教育研究棟 B棟2F)

座長:福士 圭介(金沢大学)、横山 正(広島大学)、宇都宮 聡(九州大学)

10:45 〜 11:00

[R4-07] 炭酸カルシウム1/2水和物の溶解度:アルカリ塩湖水質予測への示唆

「発表賞エントリー」

*酢山 真衣1、福士 圭介2、北島 卓磨1 (1. 金沢大・院理、2. 金沢大学環日本海域環境研究センター)

キーワード:炭酸カルシウム1/2水和物、前駆体、溶解度、イオン活量積、アルカリ湖

炭酸カルシウムは無水炭酸カルシウムのカルサイト、アラゴナイト、バテライト、含水炭酸カルシウムのモノハイドロカルサイト(MHC)、イカイト、非晶質炭酸カルシウム(ACC)の6 種類に分類される。これらに加え、近年、Zou et al. (2019)にて炭酸カルシウム1/2 水和物 (Calcium carbonate hemi hydrate: CCHH, CaCO₃・1/2H₂O)が合成された。CCHHは未だ天然環境では未発見であるが、その存在可能性を検討し、役割を予測することは地球の炭素循環への理解に貢献すると考えらえる。本研究では天然環境を模した条件でCCHHの生成を試み、鉱物学的・地球化学的性質を調査することでCCHHの自然界における存在可能性を検討する。 自然界における存在可能性を検討する上で、水環境とCCHHの関係を比較するための指標として「溶解度」が挙げられる。物質に固有の溶解度と天然環境のイオン活量積を比較することで、その場に存在している可能性のある物質を推定することができる。そこで本研究はCCHHの溶解度を実験的に明らかにすることを目的とする。