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[R6P-09] 蔵王火山1895年噴出物に含まれるミョウバン石族鉱物の産状
キーワード:ミョウバン石族鉱物、蔵王火山、火山直下の熱水系、石質火山灰、熱水変質
蔵王火山1895年噴出物は火山熱水系が関与した噴火事例であり, Layer 1~Layer 6の6層に分けられる。この6層に対して,粉末XRD分析ならびにSEM-EDS分析を実施した。XRD分析により同定された主要な鉱物は,ミョウバン石族鉱物,石膏,カオリナイト,クリストバライト,トリディマイトである。ミョウバン石族鉱物は以下の3タイプの火山灰粒子に含まれる:(1) 葉片状ミョウバン石族鉱物結晶からなる凝集物;(2) クリストバライト-トリディマイト-カオリナイト-パイロフィライトからなる粘土化変質岩片;(3) クリストバライト-トリディマイトからなる珪化岩片。Layer 1~4の試料ではタイプ(3)が卓越する一方,Layer 5~6の試料にはhuangiteを伴うタイプ(1)の火山灰粒子が優勢となる。 鉱物産状ならびに鉱物組み合わせから,1895年噴出物中のミョウバン石族鉱物は,およそ200-300℃の硫酸酸性流体によって形成した山体内部の変質帯に由来する。噴火に関与した熱水流体も同様の特徴を有すると考えられる。