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[R7-05] 黒鉱鉱床における両錐石英の形成メカニズム
「発表賞エントリー」
キーワード:石英、シリカ、黒鉱鉱床、海底熱水鉱床、水熱実験
黒鉱鉱床の鉱石の解析と水熱実験を行い、黒鉱鉱床における両錐石英の形成メカニズムについて考察した。秋田県北鹿地域の花岡鉱山(堂屋敷鉱床、松峰鉱床)から採取した両錐石英を含む黒鉱鉱床の鉱石を解析に用いた。石英粒は自形の両錐形を示し、軸方向の長さが0.01–0.52mm、アスペクト比が~3であった。石英粒に含まれる流体包有物の均質化温度は281-309℃であり、黒鉱鉱床の両錐石英は約300℃の流体中で形成したことが明らかになった。また、鉛直流路を持つ実験装置を用いて、予め作成したシリカ水溶液(Si = ~300 ppm)を上向きに流通させた鉱物析出実験を行った。一定圧力で、反応管を流路に沿って加熱することでシリカ鉱物を析出させた。実験は、超臨界条件及び飽和蒸気圧条件において行った。析出物の解析結果から、両錐石英はアモルファスシリカから相変化して形成することが分かった。また、飽和蒸気圧条件においても形成したことから、両錐石英は気液混合相においても成長することが明らかになった。両錐石英は、黒鉱鉱床下部のストックワークにおいて、シリカが高温で過飽和になることによって形成したと考えられる。