一般社団法人日本鉱物科学会2022年年会・総会

講演情報

口頭講演

R7:岩石・鉱物・鉱床 (資源地質学会 との共催 セッション)

2022年9月17日(土) 09:30 〜 12:30 B253 (総合教育研究棟 B棟2F)

座長: 秋澤 紀克(東京大学)、越後 拓也(秋田大学)

11:00 〜 11:15

[R7-06] タヒチ島産マントルカンラン岩中の白金族鉱物を含むメルト包有物

「発表賞エントリー」

*三津川 到1、小木曽 哲1、秋澤 紀克2、田口 知樹3、上杉 健太朗4、竹内 晃久4、安武 正展4、𡈽山 明5,6、松本 恵7、松野 淳也6、奥村 翔太1、伊神 洋平1、三宅 亮1 (1. 京都大、2. 東京大、3. 早稲田大、4. SPring-8/JASRI、5. 広州地球化学研究所、6. 立命館大、7. 東北大)

キーワード:白金族鉱物、瀝青質物質、メルト包有物、ラマン分光分析、タヒチ島

白金族元素(PGE)は、初期地球の進化過程を制約する上で重要な地球化学的トレーサーである。PGEはマントルカンラン岩中でFe-Ni-Cu硫化鉱物や白金族鉱物に濃集しており、マントル内部におけるPGEの分布や輸送機構を制約する上でこれらの鉱物の詳細な記載が重要である。タヒチ島産のマントルカンラン岩からは放射光X線CT撮影により、白金族鉱物を多量に含む1 µm程度のメルト包有物が発見されており、Fe-Ni-Cu硫化鉱物や珪酸塩ガラス、”流体らしき相”と共存していることが明らかになっている。今回は”流体らしき相”に対してラマン分光分析を実施した結果、瀝青質物質と類似したブロードなピークが得られた。ただ、透過型電子顕微鏡(TEM)とエネルギー分散型X線分光装置(EDS)を用いて組成分析を行った結果、”流体らしき相”から顕著な炭素のピークは得られなかったため、今後、より詳細な分析が必要である。