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[R7-07] 高知県佐川町鳥巣石灰岩の自生石英中の炭化水素流体包有物の産状と化学的特徴
「発表賞エントリー」
キーワード:炭化水素流体包有物、自生石英、紫外線励起、均質化温度、ラマンスペクトル
堆積岩中に存在する炭化水素は、続成作用の過程で生物源有機物から主に生成されるとされ、特に有機物に富む石灰岩中のものは、原油の起源物質として重視されている。石灰岩は続成作用の過程で、石英や方解石を自生鉱物として析出することがあり、周囲の流体を流体包有物として捕獲することが知られている。そこで、本研究では、研究例の少ない島弧・大陸縁辺部の堆積岩中の炭化水素流体の化学的特徴を検討するため、高知県佐川町の石灰岩とその近傍の砂岩の自生石英中の炭化水素流体包有物について紫外線励起観察、均質化温度の測定、顕微ラマン分光測定を行った。 自生石英は、大きさ数mmの両錐自形結晶で、石灰岩中の晶洞に方解石・黄鉄鉱の自形結晶や瀝青質炭質物の微粒と共生していた。砂岩中の石英は砂岩のベインに見られた。石英内部には大きさ数十μmの多量の流体包有物と少量の瀝青質炭質物・方解石結晶の固相包有物を含んでいた。流体包有物は液相+気泡±微小量の瀝青質析出物から構成され、紫外線照射で9割近くの液相包有物が青色蛍光を示した。このことから、芳香族化合物を主体とする炭化水素流体であることが推測される。