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[R7P-06] 新潟県糸魚川市に分布するロジン岩を含む肉眼鑑定の難しい岩石の鉱物学的記載
キーワード:糸魚川ユネスコ世界ジオパーク、フォッサマグナミュージアム、ロジン岩
新潟県糸魚川市は国石に認定されたヒスイの産地である.ヒスイに類似した岩石として,ロジン岩(Rodingite)や通称キツネ石と呼ばれる緑色石英を含む炭酸塩岩(リストヴェナイト(listvenite))等の識別は,フォッサマグナミュージアムで実施している石の鑑定にとって重要な意味を持つ.今回,糸魚川市内の海岸で採集したロジン岩を含む肉眼での判別が難しい岩石65個を新潟大学理学部の粉末X線回折装置(XRD)で分析した.その結果,石の鑑定でロジン岩と同定している岩石は,ぶどう石や透輝石,ベスブ石,灰礬石榴石等の鉱物で構成されていることが判明した.ベスブ石を含むことから,一部は400℃~600℃でロジン岩化作用を被ったと考えられる.また,オンファス輝石岩やソーダ珪灰石,ソーダ沸石を含む岩石の同定についても一定の知見を得たことから合わせて報告する.