13:30 〜 13:40
[O3-E-PM1-02] Fusobacterium nucleatumは気管支上皮細胞とマウス肺のバリア形成を阻害する
キーワード:COPD、マウス、歯周病
【背景】
近年、歯周病が慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪因子であることが欧米のみならず我が国でも報告された。COPDは肺胞が破壊された肺気腫と慢性気管支炎の総称で世界の死因第3位である。しかし、歯周病がどのようにCOPDの増悪に関与しているのかは不明である。COPDが進行すると気管支や肺胞上皮のバリア機能が破壊されるため、細菌やウイルスの侵入による炎症が惹起される。また、COPD急性増悪患者の喀痰では歯周病原菌F. nucleatum (F.n.)の抗体価が増加することも報告されている。そこで今回、F.n.が呼吸器のバリア機能を破壊するのでないかと推察し実験を行った。
【材料及び方法】
トランスウェルプレートで気管支上皮細胞を培養しF.n.を添加後、経上皮電気抵抗値(TER)の測定と、蛍光標識デキストラン用いて細胞間隙径路の評価を行う事によりバリア機能を評価した。また、バリア形成に関わる17種の遺伝子発現を検討するとともに、マウスにF.n.を誤嚥させた後、肺におけるバリア破壊も調べた。
【結果及び考察】
F.n.は時間及び濃度依存的に気管支上皮細胞におけるTER値を低下させたことから、F.nによりバリア形成が阻害されていることが推察された。実際に、F.n.の添加によりデキストランの透過性が促進したため、上皮細胞のバリア破壊が起こっていることが解った。また、F.n.誤嚥マウスにおいても血清中にデキストランが検知された事から、肺胞のバリア破壊が起こっていることが示唆された。バリア破壊のメカニズムを検討した結果、細胞とマウス肺においてClaudin1やZO2等のバリア形成に係る遺伝子の発現がF.n.により低下することが認められた。以上の結果から、歯周病原菌は呼吸器上皮のバリア形成の破壊を引き起こし、細菌やウイルスなどの感染を惹起することによりCOPDの増悪に関与していることが示唆された。
近年、歯周病が慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪因子であることが欧米のみならず我が国でも報告された。COPDは肺胞が破壊された肺気腫と慢性気管支炎の総称で世界の死因第3位である。しかし、歯周病がどのようにCOPDの増悪に関与しているのかは不明である。COPDが進行すると気管支や肺胞上皮のバリア機能が破壊されるため、細菌やウイルスの侵入による炎症が惹起される。また、COPD急性増悪患者の喀痰では歯周病原菌F. nucleatum (F.n.)の抗体価が増加することも報告されている。そこで今回、F.n.が呼吸器のバリア機能を破壊するのでないかと推察し実験を行った。
【材料及び方法】
トランスウェルプレートで気管支上皮細胞を培養しF.n.を添加後、経上皮電気抵抗値(TER)の測定と、蛍光標識デキストラン用いて細胞間隙径路の評価を行う事によりバリア機能を評価した。また、バリア形成に関わる17種の遺伝子発現を検討するとともに、マウスにF.n.を誤嚥させた後、肺におけるバリア破壊も調べた。
【結果及び考察】
F.n.は時間及び濃度依存的に気管支上皮細胞におけるTER値を低下させたことから、F.nによりバリア形成が阻害されていることが推察された。実際に、F.n.の添加によりデキストランの透過性が促進したため、上皮細胞のバリア破壊が起こっていることが解った。また、F.n.誤嚥マウスにおいても血清中にデキストランが検知された事から、肺胞のバリア破壊が起こっていることが示唆された。バリア破壊のメカニズムを検討した結果、細胞とマウス肺においてClaudin1やZO2等のバリア形成に係る遺伝子の発現がF.n.により低下することが認められた。以上の結果から、歯周病原菌は呼吸器上皮のバリア形成の破壊を引き起こし、細菌やウイルスなどの感染を惹起することによりCOPDの増悪に関与していることが示唆された。