[P1-2-33] Candida albicans 臨床分離株の抗真菌薬感受性の比較・検討
キーワード:Candida albicans、抗真菌薬感受性、耐性菌
口腔カンジダ症は口腔内の常在菌である Candida 属菌種(主にCandida albicans)による日和見感染である。Candida 菌は 宿主の加齢や薬剤による免疫機能の低下,口腔乾燥や義歯の使用によって増殖し,口腔内の疼痛や味覚異常などの様々な症状を引き起こすことが知られている。治療法は、抗真菌薬の内服や含嗽、局所部位への塗布などがある。近年、抗真菌薬に対する耐性株の増加が問題になっているが、北海道におけるCandida albicansの臨床分離株における抗真菌薬感受性を調査した報告は少ない。
今回、演者らは北海道大学病院歯科診療センターにおけるC. albicans 臨床分離株58株の抗真菌薬感受性を比較・検討した。使用薬剤はミカファンギン、アムホテリシンB、フルシトシン、フルコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾールの6剤である。薬剤感受性測定はNational Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS)により推奨されているM27-A3ブロス微量希釈法で測定した。ミカファンギン、アムホテリシンB、ボリコナゾールに対する耐性株はなかった。フルシトシン、フルコナゾール、イトラコナゾールに対する耐性株をそれぞれ1株ずつ認めた。
これらの結果から、現段階においては北海道大学病院における抗真菌薬耐性C. albicansは非常に少ないと考えられた。ただし、多くの臨床分離株はC. albicansの標準株であるIFM40009よりも抗真菌薬感受性が低かったこと、ならびにC. albicansは抗真菌薬に曝露されることにより耐性遺伝子が誘導されることなどもあることから、耐性菌が増加していく可能性があるものと考えられる。
【利益相反】利益相反状態にはありません。
今回、演者らは北海道大学病院歯科診療センターにおけるC. albicans 臨床分離株58株の抗真菌薬感受性を比較・検討した。使用薬剤はミカファンギン、アムホテリシンB、フルシトシン、フルコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾールの6剤である。薬剤感受性測定はNational Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS)により推奨されているM27-A3ブロス微量希釈法で測定した。ミカファンギン、アムホテリシンB、ボリコナゾールに対する耐性株はなかった。フルシトシン、フルコナゾール、イトラコナゾールに対する耐性株をそれぞれ1株ずつ認めた。
これらの結果から、現段階においては北海道大学病院における抗真菌薬耐性C. albicansは非常に少ないと考えられた。ただし、多くの臨床分離株はC. albicansの標準株であるIFM40009よりも抗真菌薬感受性が低かったこと、ならびにC. albicansは抗真菌薬に曝露されることにより耐性遺伝子が誘導されることなどもあることから、耐性菌が増加していく可能性があるものと考えられる。
【利益相反】利益相反状態にはありません。