The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Poster

Poster session

Sat. Sep 16, 2023 1:20 PM - 7:00 PM Poster Presentation (131講義室)

[P1-3-29] Ectopic mechanical allodynia induced by experimental pulpitis: role of macrophages in rat trigeminal ganglion

〇Miki Tamura1, Yoshiyuki Tsuboi1, Masamichi Shinoda1 (1. Dept Physiol, Nihon Univ Sch Dent)

Keywords:歯髄、三叉神経節、マクロファージ

[目的]歯髄炎により口腔顔面領域に異所性疼痛が発症することは臨床的によく知られているが、その発症メカニズムは不明な点が多い。本研究では、大臼歯の露髄によって歯髄炎モデルラットを作製し、歯髄炎発症後の顔面皮膚における機械アロディニアに対する三叉神経節(TG)内マクロファージの役割を検討した。 [方法]深麻酔下にて、Sprague Dawley系雄性ラットの右側上顎第一および第二臼歯を切削し露髄することによって歯髄炎モデルを作製した。露髄と同時に右側口髭部皮膚に4%フルオロゴールド(FG)を注射し、右側口髭部皮膚投射TGニューロンを標識した。露髄後5日目まで、von Freyフィラメントを用いて右側口髭部皮膚への機械刺激に対する頭部引っ込め反射閾値(WHWT)を測定した。露髄後3日目と4日目に右側TGへマクロファージ枯渇剤(LCAA)またはIL-1受容体アンタゴニスト(IL-1Ra)を投与し、WHWTの変化を解析した。露髄後5日目、TGのFG標識TGニューロン周囲のIba1陽性細胞数やFG標識電位依存性Na + チャネル1.7(Nav1.7)陽性TGニューロン数を免疫組織化学的に解析した。 [結果]露髄後5日目まで、WHWTは露髄前および非露髄群と比較して有意に低下した。TGへのLCAAまたはIL-1Ra投与により、露髄後のWHWT低下は有意に抑制された。露髄後5日目、FG標識Nav1.7陽性TGニューロン数が有意に増加した。さらにLCCAのTG内投与により、FG標識TGニューロン周囲のIba1陽性細胞数およびFG標識Nav1.7陽性TGニューロン数の増加が有意に抑制された。 [結論]歯髄炎発症後のTG内マクロファージの増加に伴う口髭部皮膚投射Nav1.7陽性TGニューロン数の増加が、上顎臼歯の歯髄炎により発症する口髭部皮膚の機械アロディニアに関与することが示唆された。