The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Poster

Poster session

Sat. Sep 16, 2023 1:20 PM - 7:00 PM Poster Presentation (131講義室)

[P1-3-32] Ligation of the infraorbital nerve induces plastic changes of the barrel cortex

〇Kouhei Kitano1, Kazunori O'Hashi1, Masayuki Kobayashi1 (1. Dept Pharmacol, Nihon Univ Sch Dent)

Keywords:神経障害性疼痛、カルシウムイメージング、可塑的変化

疼痛は生体の危険信号としての役割を有するが、損傷部位の治癒後も続く慢性疼痛は、異常を警告するというよりむしろ、患者のQOLの低下をもたらす。歯科においても損傷や術後に痛覚過敏やアロデニアといった症状がみられることがあるが、この神経障害性疼痛の原因の1つとして、中枢神経系における局所回路の可塑的変化が考えられている。しかし、顎顔面領域においてどのような可塑的変化が起こっているかについては未だ明らかとなっていない。そこで今回、眼窩下神経結紮マウスを用いて、大脳皮質一次体性感覚野のバレル領野における可塑的変化を検索した。 C57BL/6Jマウスを用いてイソフルラン麻酔下でwhisker pad に対しvon Frey試験を行い、疼痛閾値を記録した。次いで、GCaMP6sマウスにおいて、三種混合麻酔下で頭頂部の開窓を行い、C2以外のヒゲをトリミングした。その後、イソフルラン麻酔下で広視野カルシウムイメージングを行い、バレル領野においてC2単一ヒゲ刺激に対する蛍光強度の変化をCMOSカメラにて測定した。記録は同一個体から経時的に取得した。結紮は口腔内から眼窩下神経を剖出後、6-0ナイロンを用いて行った。得られたデータはMATLABで解析した。 Von Frey試験の結果、結紮後で疼痛閾値の低下を認め、神経障害性疼痛が生じていることを確認した。広視野カルシウムイメージングでは、C2単一ヒゲ刺激時のバレル領野における神経応答の振幅(ΔF/F)の値は低下した。また、バレルにおいて平均から1SDを引いた値を超える領域を反応領域と見なすと、結紮後に反応領域の減少を認めた。これらの結果から、眼窩下神経の結紮によりバレル領野における可塑的な変化が生じ、この変化が神経障害性疼痛に関与している可能性が示唆された。