[P3-3-04] 低濃度アズレンスルホン酸ナトリウム溶液における5-FU誘発性口腔粘膜炎モデルの治癒促進作用の検証
キーワード:薬剤誘発性口内炎、5-フルオロウラシル、アズレンスルホン酸ナトリウム
【目的】がん化学療法の副作用として発症する口腔粘膜炎は、がん治療の中断/中止に繋がり、患者の予後に大きく影響を及ぼす因子として問題となっている。アズレンスルホン酸ナトリウム(AZ)を配合した軟膏や含嗽剤は、がん化学療法の副作用として発症する難治性口腔粘膜炎のケアに汎用される。しかし、これまでに、含嗽剤としてのAZ液剤の効果をモデル動物を用いて評価した報告はなされていない。そこで本研究では、5-フルオロウラシル(5-FU)による口腔粘膜炎モデルを用い、5-FU誘発性口腔粘膜炎に対する低濃度のアズレンスルホン酸ナトリウム溶液(AZ溶液)の影響を調べ、含嗽剤としてのAZの作用を検証することを目的とした。
【方法】1週間予備飼育した6週齢の雄性Syrian系ハムスターに、2日間連続で5-FU(60mg/kg)を腹腔内に投与した。2度目の5-FU投与後から3日目に麻酔下で5%酢酸20µLを右側頬嚢皮内に注射した。口腔粘膜炎誘発後は、5日間連続で創傷部面積を算出した。実験開始から10日間、AZ溶液50µLを右側頬嚢に毎日塗布したものを5-FU/AZ群、同量の生理食塩水(PS)を投与したものを5-FU/PS群とした。
【結果と考察】5-FUを投与せず酢酸を皮内注射した健常対照群と比較し、5-FU投与後酢酸を皮内注射し生理食塩水を塗布し続けた5-FU/PS群では、口腔粘膜炎誘発後の創傷部面積が2日目まで増大、治癒速度も遅延した。これらの処理で、5-FU誘発性難治性口腔粘膜炎を再現できることを確認した。一方、5-FU投与群にAZ溶液を塗布し続けた5-FU/AZ群では、5-FU/PS群と比較し、創傷部面積の縮小と、緩やかな治癒の加速が確認され、5日目には健常対照群と同程度にまで減少していた。以上の結果より、AZ 溶液は、5-FU誘発性難治性口腔粘膜炎モデルにおいて創傷治癒を促進する可能性が示された。
【方法】1週間予備飼育した6週齢の雄性Syrian系ハムスターに、2日間連続で5-FU(60mg/kg)を腹腔内に投与した。2度目の5-FU投与後から3日目に麻酔下で5%酢酸20µLを右側頬嚢皮内に注射した。口腔粘膜炎誘発後は、5日間連続で創傷部面積を算出した。実験開始から10日間、AZ溶液50µLを右側頬嚢に毎日塗布したものを5-FU/AZ群、同量の生理食塩水(PS)を投与したものを5-FU/PS群とした。
【結果と考察】5-FUを投与せず酢酸を皮内注射した健常対照群と比較し、5-FU投与後酢酸を皮内注射し生理食塩水を塗布し続けた5-FU/PS群では、口腔粘膜炎誘発後の創傷部面積が2日目まで増大、治癒速度も遅延した。これらの処理で、5-FU誘発性難治性口腔粘膜炎を再現できることを確認した。一方、5-FU投与群にAZ溶液を塗布し続けた5-FU/AZ群では、5-FU/PS群と比較し、創傷部面積の縮小と、緩やかな治癒の加速が確認され、5日目には健常対照群と同程度にまで減少していた。以上の結果より、AZ 溶液は、5-FU誘発性難治性口腔粘膜炎モデルにおいて創傷治癒を促進する可能性が示された。