[P3-3-06] 咬合不調和による心機能障害に対するキサンチンオキシダーゼ阻害薬アロプリノールの効果の検討
キーワード:咬合不調和、酸化ストレス、心疾患
【目的】咬合不調和による慢性的なストレスは心疾患の誘因となる可能性が指摘されているが、その分子機構の詳細は不明である。これまでに我々は、マウスに歯科用レジンを装着して0.7 mm開口させる開口負荷(BO:Bite opening)実験系を咬合不調和の簡便な動物モデルとして確立した。続いて本実験系を用い、持続的に2週間BO処理を行ったマウスで心機能障害が認められること、その原因の1つが酸化ストレスであることを明らかにした。高尿酸血症治療薬であるキサンチンオキシダーゼ阻害薬アロプリノール(ALLO)は心血管疾患のリスクおよび酸化ストレスを低減させることが知られている。そこで本研究では、咬合不調和による心機能障害に対するALLOの効果について検討する。 【方法】C57BL/6Jマウス(オス、16週齢)を用いて、1)Control群(n = 6)、2)BO処理群(n = 8)、3)ALLO(50 mg/kg/day)投与群(n = 6)、4)BO処理とALLO投与併用群(BO+ALLO群,n = 8)を作成した。イソフルラン麻酔下、厚さ0.7 mmの歯科用レジンをマウスの下顎切歯に装着してBO処理を行った。BO処理マウスでは通常のペレット食の摂取が困難であるため、BO処理開始の2週間前から実験終了までペースト食を与えた。ALLOはBO処理2日前から実験終了まで自由飲水により投与した。体重、餌および水の摂取量は実験期間中を通して計測した。BO処理開始から2週間後に心エコーにより心機能(左室駆出率、左室内径短縮率)を測定した。心機能測定後に各臓器を摘出し、重量測定を行った。 【結果】Control群と比較してBO群の心機能は低値を示した。一方、ALLO併用投与群ではBO処理による心機能の低下が抑制される傾向を認めた。 【結論】アロプリノールは咬合不調和による心機能障害に対する予防効果がある可能性が示唆された。