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[US7-03] がんにおける乳酸受容体GPR81の役割と治療標的としての可能性
キーワード:がん、乳酸代謝、GPR81
がん細胞に特徴的な細胞特性の一つとして、好気的環境下における解糖系の亢進(Warburu効果)が古くから知られている。そのため、腫瘍微小環境には解糖系によって産生された乳酸が豊富に存在し、その局所濃度は30mMにも達する。これまで代謝の副産物として認識されてきた乳酸であるが、近年、乳酸がG-タンパク質共役型受容体GPR81の生理的リガンドとして機能することが報告され、がん細胞におけるGPR81の役割が注目されている。我々もGPR81が乳がん組織に高発現すること、そしてGPR81は解糖系によるエネルギー代謝と乳酸輸送を制御することで腫瘍増殖を制御することを報告している(Ishihara S et al Sci Rep 2022)。本シンポジウムでは口腔がんにおけるGPR81の役割について我々の知見を紹介するとともに、創薬ターゲットとしてのGPR81の可能性について議論したい。