一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

講演情報

一般演題

オンデマンドプログラム » 一般演題

性,ジェンダー(OP-0401~0406)

笠井直美(新潟大学)

[OP-0403] 大学生のジェンダーバイアスに関する調査

梶岡多恵子1, 小嶋笑佳2, 石田妙美1 (1.東海学園大学, 2.松阪市立漕代小学校)

【はじめに】ジェンダー平等の実現は国連加盟国が掲げた持続可能な開発目標SDGsの一つであるが,2020年のジェンダーギャップ指数において本邦は149カ国中121位と低位置にある.この現状が示すように,我が国がジェンダー平等を実現するにあたっては多くの課題があり,中でもジェンダーバイアス(偏見)の是正は最重要課題であると言える.そこで今回,大学生を対象にジェンダーバイアスの男女差を明らかにすることを目的に調査を実施した.
【方法】大学生223名(男子119名・女子104名)に内閣府男女共同参画局による「ジェンダーチェック(教育編・職業編・恋愛結婚編・家庭編)」を実施した.男女の回答比率の差の検定はカイ2乗検定を用い,有意水準は5%未満とした.
【結果および考察】教育編では14項目中7項目,職業編では17項目中8項目,恋愛結婚編では10項目中6項目,家庭編では16項目中8項目において男女の回答比率に有意差を認めた.最も男女差が大きかったのが「プロポーズは男性がするもの,または男性からして欲しい」で,「はい」と回答した男子は49.6%,女子80.8%であった(p<0.01).一方,共働き結婚を志向する30歳以上を対象とした他調査では,男女とも半数以上(男性54.0%,女性58.0%)が「プロポーズは結婚したいと思った方がするべき」と回答していた.本調査の対象である大学生では,恋愛結婚に関して,女子のジェンダーバイアスが高い割合で存在していることが示唆された.