一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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保健教育3(OP-0610~0614)

家田重晴(中京大学)

[OP-0610] 中学校における生活習慣病の「罹患性」の自覚を高める保健授業

佐見由紀子1, 植田誠治2 (1.東京学芸大学 教育学研究科, 2.聖心女子大学 現代教養学部 教育学科)

【目的】筆者らは,中学校における健康・安全の課題における罹患性の自覚を高めることを意図した教材の開発と評価を行っている.中学3年を対象とした生活習慣病における罹患性の自覚を高めることを意図した教材を用いて授業を行い,その効果を検証した.【方法】2018年にA大学附属中学校の3年生4クラス160名を対象に,2クラス80名には,罹患性を高めることを意図し,思春期チェックリストと全員の血圧測定を行う授業を実施し(以下,罹患性焦点型授業群),他の2クラス80名には通常の授業を実施した(以下,通常型授業群).授業の事前,事後,3週間後における意識として罹患性の自覚(5項目),重大性の自覚(5項目),予防行動意図(5項目),予防自己効力感(5項目)についての変化を分析した.【結果】罹患性焦点型授業群では,罹患性の自覚の3項目で事前に比べ事後で有意に向上し,3週間後も継続していた.他の2項目では事前や事後に比べ3週間後に有意に向上した.重大性の自覚,予防行動意図,予防自己効力いずれも3項目で事前に比べ事後で有意に向上し,3週後も継続していた.一方,通常型授業群では,罹患性の自覚3項目,重大性の自覚2項目,予防行動意図3項目,予防自己効力2項目で事前に比べ事後では有意に向上したが,事後から3週間後に有意に低下していた.【結語】罹患性焦点型授業群では,罹患性の自覚において授業後に効果が認められ,3週間後にも継続していた.